2020年6月2日、韓国・オーマイニュースの記者は、タイ・バンコクのドンムアン空港で出会った日本人旅行者とのエピソードを伝えた。

記者は、19年8月にインドを訪れたときのエピソードを紹介している。東インド最大の都市・コルカタに向かうためバンコクの空港で搭乗を待っていると、見慣れない異国の景色の中に落ち着かない様子の東洋人男性の姿を発見した。男性は優しそうな雰囲気で、背負ったリュックにはカタカナで「インド」と書かれたガイドブックが入っていた。記者は、周囲を見渡しても現地人しかいないその空間で出会った日本人男性に親近感を抱き、「自然と言葉をかけていた」という。

記者は外国人旅行者と話す際、旅行中に偶然遭遇したときの気まずさを考え、両国に関する国際情勢や敏感なイシューは避けるようにしているという。ところが、20歳だというその日本人男性は「韓国人は日本についてどう考えているのですか?」と尋ねてきた。これを聞いた記者は「想像もしていなかった大胆な質問に困惑してしまった」と振り返る。当時、日本と韓国は輸出規制問題などで関係が「過去最悪」とも言われる状態にあった。韓国ではほとんどの人が日本製品不買運動に参加し、訪日韓国人数も大幅に減少していた。一部の店では「日本人お断り」の貼り紙が出されるほどで、記者は「日本の全てに対する反発と怒りが一般的な国民感情になっている状況だった」と説明した。

しかし記者は、「日本でも韓国でもない国、さらに旅行者同士だからこそ可能な質問かもしれない」「(相手は)インターネット上のコミュニティーやメディアを通じた話ではなく、韓国の一個人が語る正直な話を聞きたいのだ」と考え、「多くの韓国人が同じ考えだが、日本政府を嫌っても日本人に対する反感は大きくない」と答えた。すると男性は「僕も同じ考えです」「日本人の多くも今の政府が好きではない」と話したという。そして互いに目を合わせ、にっこり笑いあったそうだ。記者は最後に「現在は冷却期間を置いているが、未来の世代が引っ張る今後の国際社会は、今よりはるかに明るいだろう」とつづっている。

これを見た韓国のネットユーザーからは「旅行中は正直な気持ちが話せるもの」「今までに出会った日本人はみんな良い人だった。両国から反日、嫌韓の政治家がいなくなり、また交流が始まってほしい」「学生のときに日本に行って感じたことは、人がとても親切で余裕があるということ。だから悪い感情はない。それでも、サッカーだけは絶対に勝たなければならないけどね」などのコメントが寄せられている。

また、「30代になった今、日本の悪い歴史ばかりを学び、日本を憎んでいた10〜20代の自分は非常に感情的だったと感じる。日本に勝つには日本と和解するべき。今の敵は日本ではなく北朝鮮で、日米韓同盟を強くすることが実利外交だ。朝鮮半島を統一して日本より強くなったら、そのときに過去の恨みを晴らせばいい」との声も。

一方で、一部からは「安倍首相が韓国を叩くと支持率が上がるのは、日本人の多くが韓国を嫌っているからでは?」と指摘する声も上がっている。(翻訳・編集/堂本)