2020年7月15日、韓国メディア・韓国日報は、韓国政府が発表した新たな国家戦略「韓国版ニューディール(New Deal)」政策について、「既存の政策に『ニューディール』を付けただけで新しいものはない」と指摘した。

韓国大統領府と韓国政府は14日、デジタル・グリーンニューディールとセーフティーネットの強化を柱とする「韓国版ニューディール総合計画」を発表した。しかし記事は、「『1930年代に大恐慌を克服した米国のニューディール政策のように危機をチャンスに変えて社会体質を変える』という趣旨は良いが、内容はずさんだ」とし、「画期的な事業がなく、過去の政府内外で言及されていた事業が並んでいる」と指摘している。

記事によると、当初はデジタルニューディールのみが検討されていたが、当庁がグリーンニューディールの必要性を訴えたため追加された。さらにセーフティーネットも雇用分野から福祉分野にも拡大された。先月発表された予算は5年間で76兆ウォン(約6兆7600億円)だったが、最終的には5年間で160兆ウォンに膨れ上がったという。

記事は「規模が拡大したことで政策は『選択と集中』を失った」と指摘している。韓国政府はデータ経済を加速化させ、5Gを活用するとした。さらに自動運転車とドローンのために国土と施設を3次元基盤で分析する新産業育成案も打ち出した。ところが、期待されていた非対面医療については「スマート医療のインフラ構築」を実施するにとどまり、本格的な非対面医療は「医療界と議論後に推進する」として対策から省かれたという。

また、韓国政府が10大課題に含めた「グリーンスマートスクール」は、小・中・高校にWi-Fiをつなげてスマート機器を配布し、老朽化した学校に太陽光発電施設などを設置するというものだというが、記事は「これまでも行ってきた事業だ」と指摘。さらに「スマートグリーン産業団地を拡大し、電気と水素自動車を普及させる案もすでに政府が何度も発表してきた事業だ」としている。

セーフティーネット強化については、全国民を対象とした雇用セーフティーネットの構築が核心事業だったが、基礎生活保障制度の見直しや傷病手当の導入などが追加されたという。

これについて漢城大学のキム・サンボン教授は「デジタル・グリーンニューディールの方向性は良いが、新たな内容がなく、既存の事業がほとんど」「セーフティーネット強化の部分はニューディールと関連のない事業が並んでいる」と指摘。さらに「今後5年の計画だが、次の政権がこれを受け継がなければ、連続性の問題が発生する」と懸念しているという。

これを見た韓国のネットユーザーからは「太陽光…。中国企業にどれだけのお金を貢ぐつもりだ?」「李明博(イ・ミョンバク)元大統領は20兆ウォンで崩壊寸前の建設業界を立て直したのに、文大統領はその2倍を使っても経済を滅ぼしそう」「頼むから、これ以上税金を使わないで」「今後の大統領は苦労するね。金庫が空っぽになるだろうから」「何もしないことが国のためになる」など不満げな声が数多く寄せられている。(翻訳・編集/堂本)