2020年9月9日、韓国メディア・韓国日報によると、故クァク・イェナムさんなど元慰安婦らが日本政府を相手取って起こした損害賠償訴訟に国際法の専門家が証人として出廷し、日本側の主張に反論した。

記事によると、ソウル中央地裁は同日の公判に国際人権法分野の専門家である慶熙大学国際学部のペク・ボムソ准教授を呼び、重大な人権侵害事件における主権免除論の適用の有無について尋ねた。主権免除論とは、「ある国の裁判所は他の国を訴訟の当事者として裁判を行うことができない」という国際慣習法。日本はこれを根拠に「韓国の裁判所は日本政府の主権行為について裁判する権利がない」として「訴訟を却下しなければならない」と主張している。

しかしペク教授は「主権免除論は慣習法であり、絶対不変の確固たる原則ではない」と主張し、「現在は、過去の主権免除法とまた違う国際慣習法として浮上している『人権侵害に対して救済を受ける権利』との間でバランスをとっているところ」だと説明した。また、国連と地域機関が採択した人権条約と宣言を例に挙げつつ「被害者が救済を受けられる権利は抽象的概念ではなく具体的な国際慣習法に転換された」とし、「被害者救済の権利も主権免除論に匹敵する原則」だと強調。さらに「これまで激しい論争が繰り広げられてきたが、人権侵害の事例においては主権免除論が一部制限されるべきとの主張が台頭しているのは事実」と主張した。

その上で「国際人権法の観点から慰安婦問題に主権免除論を適用するのは不当だ」とし、「慰安婦のように他の救済手段のない例外的状況においては最小限の被害者の権利を認めなければならない」「主権免除論の例外と制限は外交的会議や仲裁宣言ではなく、個別国家の国内立法や裁判所判決を通じても変化し得る」などと主張したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからも「深刻な人権侵害事件では主権免除論の例外を認めて被害者個人の損害賠償請求権を保障するべきだ」「罪を犯した人はそれ相応の罰を受けるというのは幼い子どもでも知っている。日本は1日も早く慰安婦被害者に謝罪しなければならず、韓国はその状況をつくらなければならない」「慰安婦被害者に残された時間は少ない。1人でも多く生きているときに日本の心からの謝罪と賠償が行われ、被害者の傷が癒されますように」と訴える声が上がっている。

一方で「もうやめよう。日本は絶対に謝罪も賠償もしない。その代わりに力をつけて克日し、倍返ししよう」との声や、韓国で最近物議を醸した元慰安婦支援団体とその前代表の支援金流用疑惑を念頭に「日本より先に韓国が謝るべきでは?」「韓国に日本を責める資格があるのだろうか」との声も見られた。

次の公判は11月11日に開かれ、元慰安婦のイ・ヨンスさんへの当事者尋問が行われる予定となっている。(翻訳・編集/堂本)