2021年2月24日、中国メディアの澎湃新聞は、曙ブレーキ工業や小林化工など日本の製造業に不正が相次いでいる事について、「世界に名をはせた『職人かたぎ』の日本の製造業になぜ問題が起きているのか?」を分析する記事を掲載した。

記事は初めに、日本のメーカーに相次ぐ不正のニュースについて紹介。日本の自動車部品の大手メーカーである曙ブレーキ工業が、20年前からブレーキとその部品の品質検査データを改ざんするなど、約11万4000件の不正行為が発覚したことや、医療用医療品メーカーの小林化工が、40年以上前から一部の品質試験を実施せず、製造記録や検査結果を捏造(ねつぞう)していた結果、製造する爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した事など最近のニュースのほかに、欠陥エアバッグ問題で史上最大規模のリコール(回収・無償修理)により経営危機に陥った自動車部品メーカーのタカタや神戸製鋼、三菱自動車、スバルの品質管理の不正について触れ、「日本の製造業はどこに問題があるのか?」「『職人かたぎ』は神通力を失ってしまったのか?」と述べた。

記事は続いて、不正を起こした日本のメーカーに共通する「品質管理の問題」の理由を3つ指摘した。一つ目は「迷惑をかけたくない思いが招いた共謀」で、「ルース・ベネディクトの『菊と刀』によると、日本人は『恩と義理』を重視するという。日本人は恩を返さなければならないと考えるが、それは一種の負担や重荷にもなる」「この文化が行動経済学の枠の中では、他人の手を煩わせることや他人に迷惑をかけることを望まない逃げの気持ちにつながる」「さらに『恥の文化』も加わって、自分や同僚に問題が起きても、訂正するのではなくごまかす方へと考える」「結果、日本企業で品質管理の問題が、共謀により何十年も隠蔽(いんぺい)されることになる」と述べた。二つ目は「不明瞭な雇用構造」で、「日本企業の『終身雇用』と『年功序列』が景気悪化により維持できなくなったことで、現在の日本では人件費を抑えるため、どの企業も正社員の数を減らし、契約社員やパートなどの非正規雇用の職員を多数雇用しているため、愛社精神と共に職人かたぎも消えた」と指摘した。三つ目は「不条理な内部消耗」で、「日本は『失われた30年』の間に国際競争力が低下し、少子高齢化が顕著になってきているにもかかわらず、新しい価値観を受け入れない国民や企業が多く、職人かたぎの本質である真摯(しんし)に向き合う方向を誤り、多くの労力を生産性の向上にもつながらない雑多で細かなことに費やしている」ことが品質管理の問題にもつながっていると述べた。

記事は最後に「いかなる制度も万能ではない。職人かたぎのようなものを妄信しない方がよい」「中国企業の品質管理部門の責任者には、どのような思想であってもそのまま真似(まね)をするのではなく、現状に最適な形で長所を取り入れるのがもっとも効果的だ」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)