ドイツ紙のノイエス・ドイチュラントはこのほど、「独自の半導体チップへ向かう中国の道は岩だらけ」とする記事を掲載した。中国のニュースサイトの環球網が8日、その内容を要約して次のように伝えている。
中国は、ライバルである米国への依存から抜け出すために、国内での半導体チップ生産に多くの投資をしなければならない。
中国の半導体メーカーの弘芯半導体(HSMC)は武漢を半導体チップ生産の「新しいメッカ」にする予定だったが、工場の操業を開始する前に資金がショートしてしまった。業界関係者は、野心的な企業の失敗について、米国による輸出禁止との関連性を指摘している。
それにもかかわらず、中国政府の経済プランナーは引き続き、半導体産業を重視している。マイクロチップなしには、ノートPC、スマートフォン、ドローン、人工知能のいずれも存在しない。従って、半導体には経済をはるかに超える意味がある。半導体へのアクセスは国家安全保障の問題だ。
これは特に中国に当てはまる。中国は長い間、世界最大の半導体購入国で、輸入額は年間3000億ドル(約33兆円)に上るが、収益の大部分は外国企業に流れている。この依存関係は、過去2年間で中国政府に深刻なトラウマをもたらした。当時のトランプ米大統領は、貿易戦争における政治的影響力の手段として半導体の輸出を悪用し、中国の通信機器サプライヤーと米国のテック企業との関係を切断した。
それ以来、中国は「科学技術の自立自強」を国家発展の核心的目標とし、最新の五カ年計画は、米国の対抗路線のレプリカのように読める。
それに応じて巨額の投資が行われている。テック系メディアのTechnodeによる調査が示しているように、2020年だけでも中国政府は少なくとも350億ドルの直接投資で半導体企業を支援した。これは、前年度と比較して400パーセント以上の増加だ。民間ベンチャーキャピタルの投資額もほぼ同じ速度で増加している。
現時点で最も有望な国内生産者は、上海に本拠を置く中芯国際集成電路製造(SMIC)だ。同社は3月中旬、南部の深センに23億ドル超の新工場を建設すると発表した。
驚異的な数字にもかかわらず、中国の半導体産業の進歩はこれまでのところ限定的だ。世界のトップに立つには投資だけでは不十分で、世代を超えて成長したエンジニアリングスキル、ノウハウ、そして何よりも高度な資格を持つスペシャリストが必要だ。現時点では半導体業界を選択する才能のある大学卒業生が不足している。
中国が科学技術で自給自足を実現する道が岩だらけなのは明らかだ。(翻訳・編集/柳川)