2021年5月18日、中国メディアの観察者網は、半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)と韓国のサムスン電子が、最先端技術を採用した新工場の建設を米国で計画していると伝えた。

記事によると、TSMCは昨年、米国からの強い要請を受け、120億ドル(約1兆3000億円)を投じて、米アリゾナ州フェニックスに半導体工場を建設中だが、同州でさらに10〜15年をかけて、最大5カ所の工場建設を計画しているという。現在建設中の工場は回路線幅5ナノメートル(nm)の工場で、追加で建設する新工場は、より高精度な3ナノメートル、次世代の2ナノメートル技術の工場にすることが検討されているという。また、韓国のサムスン電子も100億ドル(約1兆890億円)以上を投じて最先端の3ナノメートル技術を採用した工場を、米テキサス州オースチンに建設予定という。

記事は「新型コロナウイルスのパンデミックに端を発した習慣の変化による需要の急増で、世界規模で半導体不足が深刻化しており、半導体生産強化の動きが各国政府の間で活発化している」とし、バイデン米大統領が今年3月、国内の半導体生産を支援する施策として、500億ドル(約5兆4470億円)を割り当てることを表明したことや、TSMCとサムスン電子以外にも、米インテルが35億ドル(約3813億円)を投じてニューメキシコ州にある工場の機能を高める計画を明らかにしていることを伝えた。

記事は最後に、二人の専門家の分析を紹介。グローバルバリューチェーンを研究しているシンガポール国立大学商学部のアレックス・カプリ(Alex Capri)講師は、TSMCの米国工場建設について、「創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏が講演で述べた通り、TSMCにとっては台湾での生産が重要で、外国に工場を建設するのはコストが高いが、今は地政学的な重要性を経済よりも優先する戦略で、台湾以外の土地に生産能力をコピーしている」と指摘した。また、中国グローバル化研究センター(CCG)の王輝耀(ワン・フイヤオ)理事長は、「中国はインテルやクアルコムのような米国企業にとっても重要な市場の一つで、米国政府が政治的手段によりハイテク産業のサプライチェーンを分割すれば、人類社会が先祖返りするような重大な損害をもたらすだろう」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)