日本、米国、欧州各国などの主要7カ国(G7)は中国の広域経済圏構想「一帯一路」に対抗する途上国向けのインフラ支援構想「Build Back Better World (B3W)」を打ち出した。中国の影響が及ぶ国々からは歓迎されているが、ロイター通信は「西側各国がどれほど本気で関与するか有言実行がカギ」と報じた。

B3Wは6月中旬、英国で開かれたG7首脳会議(サミット)で合意した。詳細はほとんど固まっておらず、実現には数年を要する見通しだが、今回の合意は途上国における中国の覇権拡大に対するG7の挑戦だと見なされている。B3WのプロジェクトはG7諸国とその同盟国が天候、健康、デジタル技術、性の平等といった分野で民間セクターの資本を動員して行うことになる。

ロイター通信はB3Wについて「アジア諸国は協力に前向きな姿勢を示しているが、G7の課題は中国の実績に匹敵するスピードで投資を進められるかどうかだ」と指摘。シンガポールのISEASユソフ・イシャク研究所のディレクター、チョイ・シン・クォック氏の「B3Wは複数国による取り組みという性質上、一帯一路より複雑でスピードも遅くなる可能性がある」との見方を紹介した

インドネシアのマヘンドラ・シレガル外務副大臣はロイター通信に対し、「共同投資が可能なプロジェクトが複数あり、先進諸国との協力を強化する準備はある」と前向きに受け止めた。インドネシアの一帯一路プロジェクトで主な窓口となる海事・投資調整省の報道官は「先進国はインドネシアの開発への関与に消極的だった過去を改める必要がある」とも言及。「われわれはB3Wを歓迎する。しかしもちろん、今回は有言実行を期待する」と念を押した。

フィリピンのチュア経済開発庁長官は日本、中国、韓国、欧州諸国、米国などインフラ開発の経験豊富な幅広い国々と協力していくことに前向きな姿勢を示す。長官は「事実、わが国のインフラは大きく不足している。過去5年間でそれを埋めるために鋭意努力を始めており、今後も続ける見通しだ」とした。

一方、バングラデシュ外務省高官は匿名を条件に「一帯一路プロジェクトへの関与を続ける」と述べた。

シドニーのロウイー研究所のエコノミスト、ローランド・ラジャ氏によると、途上国はほとんどのケースで政治的な影響をさほど気にせず中国と西側諸国のどちらかを選べるが、一部のセクターではもっと複雑な問題が生じるかもしれない。ラジャ氏は「通信や戦略的な場所に位置する港湾といったセンシティブなインフラは、今後とも二者択一の状況が続き、『正しい』選択を強く迫られるだろう」と予測した。(編集/日向)