麻生太郎副総理兼財務相や中山泰秀防衛副大臣の「台湾」をめぐる発言に中国が猛反発している。「台湾有事」に踏み込み、安全保障関連法の「存立危機事態」に言及した麻生氏の見解は「非常に危険」などと警告。台湾を「国家」と呼んだ中山氏に関しては「米国の中国抑制の手先になるな」とくぎを刺した。

麻生氏が5日、東京都内で開かれた自民党衆院議員の会合で講演した際に取り上げた存立危機事態は、日本と密接な関係にある他国が攻撃され日本の存立が脅かされる明白な危険がある事態で、集団的自衛権を行使する際の要件の一つだ。

麻生氏は中国の台湾政策について「いきなり爆撃するとか、いまの時代はそんなもんじゃないから」と前置き。「ストライキやデモが台北市内でわんわん起きて、総統府が占拠され、総統が逮捕拉致される」という想定を披露し、中国が台湾側の要請を受けて、即座に鎮圧に乗り出すとの見方を示し、「『中国の内政問題だ』と言われたら、どう世界は対応するか。香港も同じようなことだったのではないか」などと述べた。

これに対し、中国外交部の趙立堅報道官は6日の記者会見で「この種の言論は非常に間違っており危険だ」と反発。「強烈な不満と断固とした反対」を表明し、日本政府に厳正に抗議したと明らかにした。趙報道官は「どんな国も台湾問題に介入することを絶対に許さない」と強調。日本の軍国主義がかつて中国を侵略したとして、「今日の中国は当時の中国とは違う」とけん制し、中国人民が国家の主権を守る揺るぎない決心と強大な能力を「見くびるな」とも訴えた。

さらに共産党機関紙・人民日報系の環球時報の胡錫進編集長は6日、中国版ツィーター「微博」を通じて麻生氏を「「大口をたたく過激な政治家」と紹介。「日本の存亡は中国が台湾問題をどのように解決するかにかかっているのではなく、日本がまずはしっかりと身の程をわきまえることにかかっている」と主張した。

一方、中国網は6月28日、米保守派のハドソン研究所のリモートフォーラムに出席した中山防衛副大臣が台湾を「国家」と呼び、一つの中国が正しいかは「分からない」としたことに触れた。

記事は「その発言内容の関連主張を見ると、現在の日本国内の保守派と大きな差がなく、気が向くまま口にしたわけでないことは明らかだ」と指摘。「日本は積極的に米国の中国抑制の手先になり、さらには自ら中米の対立をそそのかし、混乱から利益を手にしようとしている。これは現在の国際情勢に対する日本の政界の浅はかな理解、乏しい戦略的意識を反映している」と非難した。(編集/日向)