韓国大統領府は19日、東京五輪の開会式に合わせた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪日を見送ることを発表した。7月19日、韓国メディア・ニュース1が報じた。

記事によると、大統領府は同日、文大統領の訪日をめぐり、午前中の参謀会議を含め複数回の会議を行った。同日午後、在韓国日本大使館の相馬弘尚総括公使による文大統領への性的比喩発言に対し、日本政府(加藤勝信官房長官)の取った対応についても注意深く観察していたという。

午後3時20分ごろからは、兪英民(ユ・ヨンミン)大統領秘書室長、徐薫(ソ・フン)国家安全保障室長、李哲熙(イ・チョルヒ)政務首席秘書官、朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席秘書官、朴ギョン美(パク・ギョンミ)報道官ら8人により、最後の関連会議を開催。「訪日見送り」の方向で意見が固まると、兪室長、徐室長、朴秘書官の3人が文大統領へ報告に向かった。

報告を受けた文大統領は、2〜3分ほど無言で窓の外を眺めた後、「残念だ。本当に残念だ」との言葉を口にし、「また次の機会があることを期待する。今後もさらに(日本と)対話していくつもりだ」と語ったという。文大統領が見送りを決定すると、朴秘書官は午後5時15分にマスコミへ発表した。

最終決定が下されるまでの約1カ月間、大統領府の参謀陣の間でも、「日本に行くべきだ」とする訪日賛成派と、「世論を考慮し、行くべきではない」とする反対派が激しい対立を見せていたとのこと。しかし相馬総括公使の発言が報じられたことで、一気に意見が反対側に傾いたという。

両国政府は、開会式当日における菅義偉首相の各国首脳との会談日程に合わせ、文大統領との会談を最後に設定するところまで協議が進んでいたとされる。記事は「首脳会談で議論する議題について両国が接点を見出せていれば、文大統領は日韓関係改善のため、出席する決断を下していただろう」と報道。6月に英国で開催された主要7カ国(G7)首脳会議においても、文大統領は菅首相と会談できなかったことについて「残念に思っている」と発言していたことを伝えた。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「国家の利益のために最後まで迷われたと思います。訪日は見送って正解です。国家元首を侮辱するなんて国民は許しません」「国民のことだけを思い決断してくれた文大統領が頼もしいです。体に気を付けてください」「大統領の判断を尊重します」「実利と国民感情を反映した最高の決定です。韓国ファイト」など、賛同の声が相次いでいる。

一方では「韓国はこれまで、北朝鮮も日本も中国も米国も最大限に礼遇してきた。残念がる必要なんてない」「残り少ない任期中に観光ができなくなって残念なんでしょ」など、批判的なコメントも見られた。(翻訳・編集/丸山)