東京五輪・パラリンピックを機に韓国の文在寅大統領が日本を訪問する計画が見送られた。韓国側が首脳外交の儀礼にとどまらず、「成果」を求めたためだが、韓国紙は「葛藤の悪循環を断つことがこれほどまでに難しいのか」「日本に関係改善の意志はあるのか」などと反応した。

東亜日報は社説で「外交協議が実現しなかったことで、韓日の葛藤の溝が深いことが改めて確認されたといえる」と指摘。「韓日政府は終盤まで首脳会談の日程と議題、時間、儀典などをめぐって意見をすり合わせてきたが、調整に失敗したのだ」と続けた。

社説は「今回も韓日両国が2018年から3年近く続いた自尊心争いと感情的争いの壁を越えることができなかった。先月、英国で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)でも韓日は略式首脳会談で暫定合意したものの実現せず、相手に遺憾の意を表し、神経戦を繰り広げた」と言及。「今回も両国政府がどのような説明をして責任を転嫁するのか懸念される。首脳会談見送りは、隣国として最低限の信頼もない今の韓日関係を如実に物語る」と嘆いた。

その上で「実際、韓日両首脳が会ったからといって、長い間の屈曲の歴史の中で生じた葛藤が解決されるわけではない」としながらも、「両国間の最低限の信頼を構築し、そうすることで事あるごとに衝突して葛藤と対決の悪循環を繰り返す関係から抜け出さなければならない。今後、両国首脳は反転の機会を模索しなければならない」と訴えた。

ハンギョレ新聞は「日本は関係改善への意志はあるのか」との社説を掲載。「事がこのようになったのは、日本政府が『「韓国が強制動員問題などの解決策を先に出すべき』という従来の立場を固守したからだ。加害者である日本の高圧的な態度は嘆かわしい」「韓国政府は首脳会談を通じた実質的成果の導出を強調してきたが、日本政府がこれを受け入れなかったということだ」などと批判の矛先を日本政府に向けた。

さらに「韓国政府は『低姿勢外交』という国内の一部の反発を押し切って韓日首脳会談を推進してきた。しかし、日本政府は自国のマスコミに協議内容を流し続け、国内政治に利用しようとする意図をあらわした。日本政府は文大統領に対して無礼な妄言を吐いた在韓日本大使館の相馬弘尚総括公使に対して適切な措置を取っていない」と非難。「最近の日本政府の様子からは相手に対する礼儀と尊重、対話を通じて問題を解決するという意志が見られない。日本の態度の変化を改めて求めたい」と主張した。(編集/日向)