2021年7月29日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、台湾の前国防副部長がスパイ容疑で調査を受けていると台湾メディアが報じたことを伝えた。

記事は、台湾メディア・鏡週刊が「台湾当局が現在、前国防副部長と現役、退役将校数人について、中国本土のスパイと接触した疑いで調査を行っている」と報じたことを紹介。調査を受けているのは2019年7月から今年7月1日まで台湾軍事当局のトップ3に相当する国防部副部長を務めた張哲平(ジャン・ジョーピン)氏で、中国中央軍事委員会の香港代表と接触し、妻がこの代表の招待を受けて香港旅行を行った疑いが持たれていると説明した一方で、台湾地検は報道内容についてコメントを差し控えたとしている。

また、消息筋の話として、張氏が2015年7月の馬英九(マー・インジウ)総統時代に台湾の退役将校を通じてこの香港代表と面識を持ち、その後何度か食事をともにしたと紹介。検察当局はすでに5年以上にわたり捜査を進めており、張氏が近々拘束される見込みだと報じた。

一方で、台湾・中央社の報道として、張氏本人が「(鏡週刊の報道は)雲をつかむような話だ」と否定し、軍人として数十年のキャリアにおいて軍内部の事柄について外部に話したことはないとするとともに、妻の旅行に関しても「自費によるものだ」と説明したことを伝えた。

記事は、台湾国防部の報道官はこの件について何らコメントしていないものの、国防部が「中国共産党の情報機関が仲介人を通じて、台湾の幹部将校と連絡を取ろうと試み続けているが、国家機密は漏洩していない」との声明を出したと紹介。これに対し、中国本土の国防部はコメントを出していないとしている。(翻訳・編集/川尻)