2021年8月23日、韓国・マネートゥデイは、来年3月の韓国大統領選挙が「暗たんとしている」とし、「候補者らはライバルをおとしめるための不毛な論争ばかり繰り広げており、史上最も低レベルな選挙になりかねない」と指摘した。

記事によると、与党「共に民主党」の有力候補である李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事と李洛淵(イ・ナギョン)元首相は、女優とのスキャンダルなど「人間性」を争点に連日激しい攻防を繰り広げている。

12日にも、李知事がフードコラムニストの黄橋益(ファン・ギョイク)氏を京畿道の観光公社社長に内定したことが「不適切な人事権行使」だとして物議を醸したことを受け、李元首相側は黄氏を「東京や大阪の観光公社がふさわしい人」と批判するなど、「親日派」レッテルを貼る攻撃に出た。黄氏は数多くのテレビ番組に出演しており、李知事にスキャンダルが浮上するたびに擁護する発言をしてきた人物だ。

これに対し黄氏は「李洛淵の政治生命を絶つ」と宣言し、「李洛淵側の人たちは人間じゃなく獣だ」「李洛淵は見苦しい」などと暴言も吐いて波紋を呼んだ。最終的には李元首相が謝罪し、黄氏が社長を辞退してこの対立は収まったというが、李知事は最近、6月に京畿道内で大規模火災が発生した際に黄氏とYouTubeコンテンツの撮影をしていたことが発覚し、「政治的危機」に直面している。李知事には飲酒運転や検事詐称の前科もあるという。

一方の李元首相も「笑える状況」になく、「李知事へのネガティブな人格攻撃に集中するあまりに政策のビジョンが提示できていない」と批判されている。また、黄氏が暴言を吐くきっかけを作り、「李洛淵VS黄橋益」の構図を作ったこともマイナスになっているという。

最大野党「国民の力」は、党代表が大統領選候補者らと争う「前代未聞」の事態になっている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長は同党に電撃的に入党した後、党活動のボイコットや党代表弾劾発言、大統領選討論会への不参加などの問題で李俊錫(イ・ジュンソク)代表と対立してきた。李代表が尹前総長との通話内容を録音し公開した疑惑まで持ち上がっているという。

さらに、元喜龍(ウォン・ヒリョン)前済州島知事が「李代表が『尹前総長はじきに片付く』との趣旨の発言をした」と主張したことも物議を醸し、大統領選候補者の支持率は下降傾向にある。また、尹前総長の代わりとして注目された崔在亨(チェ・ジェヒョン)前監査院長は、記者からの政策に関する質問に答えられず「大統領選に出るのは時期尚早だ」との評価を受けているという。

与党関係者は「最近、周囲から最もよく聞く言葉が『今回の大統領選は投票したい人がいない』という諦め」とし、「全候補者に道徳的に欠けた部分があり、失言も多く、国をリードするビジョンを語ることも皆無」と話した。韓国社会世論研究所関係者は「大統領選は熾烈な戦いが繰り広げられるものだが、今回はネガティブな攻撃が度を超えている」とし、「韓国の政治の後進性を示している」と指摘しているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「この中から大統領が誕生するなんて恐ろしい。まともな人がいない」「同感する。レジェンド級に低レベルな選挙だ」「心から韓国を愛し、国民のために働いてくれる人はいないのか」などため息交じりの声が寄せられている。

一方で「クリーンで期待できる人もいるよ」「ホンモノを見抜く面白い選挙になりそうだ」と反論する声や、「メディアはこんな記事を出してはいけない。国民が政治に無関心になり、投票率が下がってしまう」と指摘する声も上がっている。(翻訳・編集/堂本)