2021年8月25日、米華字メディア・多維新聞は、沖縄県石垣市が尖閣諸島に行政標柱を設置する意向を示したことに対し、台湾の民進党政権が日本への忖度(そんたく)により反応を示していないと報じた。

記事は、同市が先日尖閣諸島に「魚釣島」など5つの行政標柱を設置するために国に上陸申請を行ったと紹介し、これに中国本土のメディアが批判を展開したと伝えた。尖閣諸島を巡っては中国本土側の動きも活発化しており、日中間で一触即発の状態にあるように見えると伝えた。

一方で、尖閣諸島の領有権を主張している台湾の民進党政府は、昨年石垣市が尖閣諸島の住所地名を変更した際に強い反発を示したのとは対照的に、今回は反応を示していないと指摘。国民党陣営からは早速「日本にこびへつらっている」との批判が飛び出したとしている。

その上で、民進党政府にとっては日本政府によるアストラゼネカ製ワクチンの無償提供や、日米合同台湾防衛発言に加え、中国本土との関係冷却化、東京五輪の開催といった要素から日台友好ムードを演出しており、今回の件で反応を見せなかったことは民進党政権から日本への「お返し」であることは明らかだと分析した。

記事は、台湾の蔡英文(ツァイ・インウエン)総統について「日本との友好ばかりを強調しており、再三口にしてきた主権堅守重視の姿勢から逸脱している。中国本土との関係を巡る事件や、台湾独立派との面会の際には主権防衛を力強く語るのに、日本に関する話題や日本メディアからのインタビュー時には主権を守るという話をしたことがない」と論じた。

また、人民解放軍による台湾海峡周辺での行動や、中国共産党やそのメディアによる批判に対して台湾当局が強く反発するにもかかわらず、尖閣諸島の現状変更を防ごうとする日本政府による「地域の不安定を引き起こす行動」に対しては一言も抗議の声を上げないのも「民進党政府のダブルスタンダードだ」と主張。「民進党は近年、台湾を守るというイメージによって高い人気を得ているが、尖閣諸島や南シナ海に対するアクションを見る限り、民進党が守ろうとしている台湾は、国民党政府時代よりもだいぶ小さいもののようだ」と結んだ。(翻訳・編集/川尻)