2021年9月30日、米華字メディア・多維新聞は、「岸田政権」発足後の日本について、中国との関係改善が難しく、台湾とより近い関係を築く状況は変わらないとする、台湾の専門家の見解を報じた。

記事によると、台湾師範大学東アジア学部の林賢参(リン・シエンツァン)主任は、自民党総裁選に勝利した岸田文雄氏がメディアに対し、外交・安全保障分野で「民主主義を守り抜く覚悟」「わが国の平和と安定を守り抜く覚悟」「人類に貢献し国際社会を主導する覚悟」という「3つの覚悟」を示したことに言及。

その上で、「海洋上の生命線という点で、台湾は日本にとって非常に重要であり、台湾は民主主義陣営に属している。日本が台湾を防衛しようとするのは、日本が台湾を愛しているからではない。日本には親中派も親台派もおらず、親日派がいるだけだ。中国が統一されれば日本の交通路線は随時寸断されることになる上、中国が台湾に武力行使すれば、勢いに乗じて日本の南西諸島や尖閣諸島などを占領する恐れもある。台湾有事はすなわち日本の有事と考えているのだ」と述べ、間もなく誕生する「岸田政権」について台湾との友好関係をさらに深め、中国が武力で台湾に侵攻した場合には「日本は当然、全力で駆けつけるだろう」とし、米国との同盟の枠組みのもとで中国と戦うことになるとの見解を示したという。

また、台湾の国防安全研究院の王尊彦(ワン・ズンイエン)研究員も、日本の世論が新内閣について最も注目しているのは防衛・外交政策で、その次に財政政策、新型コロナ政策であるとした上で、岸田氏が外交と防衛を非常に重視するだろうと予測。外相時代に「ハト派」と称され、軟弱な対中姿勢を批判されたことを意識し、総裁選期間中に人権問題専門の首相補佐官を置くことをアピールするなど、首相就任後も中国に対する強い姿勢を示す可能性が高いとの考えを示した。そして「日中国交樹立50年に当たる来年に習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪日を期待する人もいるが、その実現は簡単ではない」と評した。

さらに、今後の日本の防衛政策については防衛力の強化を継続して、南西諸島の防衛力配備強化を実施するはずだと予測し、「岸田氏の執政期間の長短にかかわらず、日中関係を近いうちに改善することは難しい。逆に、日台関係の見通しは、日本社会が台湾に友好的な姿勢を持っていることもあり明るそうだ」と述べた。(翻訳・編集/川尻)