2021年10月5日、中国メディアの環球網は、オーストラリアが米国、英国とともに「AUKUS」と呼ばれる3カ国間の安全保障パートナーシップ構築を宣言し、両国から原子力潜水艦の技術提供を受けることについて、中国の軍事専門家で中国中央テレビ(CCTV)のコメンテーターも務める杜文龍(ドゥー・ウェンロン)氏の見解を紹介した。

記事は始めに、8月15日に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に成功した韓国に言及し、「遠洋での作戦力や防衛力を高めるため、韓国はこれまで米国に再三原子力潜水艦の購入や生産を求めてきたにもかかわらず拒まれた理由」について、杜氏は「米国から見れば、韓国はアジア太平洋地域に介入するための『踏切板(ロイター板)』でしかない」「たとえ韓国が原潜を所有しても、中国、北朝鮮、ロシアに近い韓国は地理的にも原潜の配備に適しておらず、米国の安全保障戦略上、大きな効果は期待できない」「米国の現実主義的な考えから推測すると、韓国に原潜や弾道ミサイルのような最先端の軍事技術を提供すれば、米国への軍事的依存度が低くなり、割に合わない取引でしかない」と論じた。

次に「日本の原潜保有構想」に言及し、「日本が原子力潜水艦や核兵器を所有する可能性」について、杜氏は「日本と米国は軍事的にも緊密な関係にあるが、米国の支持を受けて国家や軍備を正常化したい思惑とは逆に、米国は日本の核軍備を許さないだろう。なぜなら日本が世界で唯一の被爆国となったのは、米国の攻撃によるもので、日本が核兵器を持つのを一番恐れるのは米国」と述べた。

続いて「米国がオーストラリアに原潜技術を提供した理由」について、杜氏は「オーストラリアが第2列島線上の戦略的重要地点だから」として、「原潜技術や、トマホーク巡航ミサイルの技術をオーストラリアに提供することで、米国はオーストラリア周辺での軍事行動の自由を獲得できる」「米国は中国の軍艦や戦闘機、ミサイルを第1列島線で阻止することができないのを見て、日本の伊豆半島から米国領グアム・サイパン、パプアニューギニアに至る第2列島線を重視し、その中で最大の陸地を持つオーストラリアに目をつけた」「オーストラリアでの軍事行動の自由を獲得したことで、米国は第2列島線の空白を閉じる態勢を整えた」と述べた。

杜氏は最後に「オーストラリアが米英両国から原子力潜水艦の技術提供を受けることは、アジア太平洋地域の安全に、『大国の争い』の影響が深くなることを意味するだろう」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)