韓国と北朝鮮の現在の関係を韓国紙は「私たちがいま目撃しているのは南北間の壮絶な軍拡競争だ」と伝えた。この中では文在寅大統領は北に秋波を送りながら「軍備増強に莫大(ばくだい)な資金を投じている」と指摘。「北朝鮮の核と競争・共存しなければならない複雑な選択の時代が始まった」と論評した。

ハンギョレ新聞は南北関係をめぐる国際部長名のコラムを掲載。「すでに北朝鮮の核保有は“既成事実”として固まりつつある」として、最高指導者・金正恩氏の戦略を取り上げた。

コラムは「2017年11月末の(弾道ミサイル)『火星-15型』の発射成功で『国家核武力の完成』を宣言した金正恩氏は翌年1月1日の新年の辞を通じて『平和攻勢』に打ってでた」と説明。当時の北朝鮮の戦略は「まず、韓米合同軍事演習を中断させ、在韓米軍を弱体化・無力化し、(長期的に非核化をするという前提のもとで)すでに兵器化した核戦力を一定期間保有する。それと同時に北朝鮮の核開発の中心といえる寧辺は完全に廃棄するが、表に出ていない一部のウラン濃縮施設は維持する」だったと続けた。

さらに「そうする一方で16年から科せられている国連安全保障理事会の制裁の中心部分を解除させ、本格的な経済開発に乗りだす」と言及。「金正恩氏はこのような前提のもとで、終戦宣言などを通じて朝米関係を正常化すれば、自身を狙うさまざまな脅威の要素を除去した上で、経済開発に精力を注ぎ、独自生存の道を進められると判断したものだとみられる」と分析した。コラムは「この構想にどれほど多くの韓国人が賛成するかは分からないが、米国は同意せず、日本は悽絶な妨害工作を繰り広げることになる」との見方を示した。

これに対する韓国側の動向について、コラムは「文大統領は(朝鮮戦争の)終戦宣言という“平和のメッセージ”を伝えながらも、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)をテストし、原子力潜水艦と軽空母の建造を推進するなど、軍備増強に莫大(ばくだい)な資金を投じている」と指摘。「21日に韓国が打ち上げた(国産ロケット)ヌリ号を見て、英BBCなどの幾つかの海外メディアは南北間の軍拡競争の兆候を読み取った」と述べた。

コラムは「弾道ミサイルの開発という観点で見ると、1.5トンにもなる模擬衛星を700キロ上空まで持ち上げたことは、大成功だと言わなければならない」と強調。「そのような意味で、科学者たちに激励の言葉を与えた文大統領の姿は、空に上がる弾道ミサイルを眺め、開発者たちを抱擁してたたえた金正恩氏と極めてよく似ていた」と皮肉っぽく描写した。(編集/日向)