2021年11月8日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、中国経済の成長鈍化により世界中がダメージを受けていると報じた。

記事は、中国経済の「列車」にブレーキが掛かり、アジアひいては世界全体の経済回復が鈍化していると紹介。仏紙ル・モンドの報道を引用する形で、世界の多くの経済学者が中国の成長鈍化で世界経済がダメージを受けていると指摘していると伝えた。

記事によると、英ローレッサ・アドバイザリーのパートナー、ニコラス・スピロ氏は「中国の経済活動は1990年代以降で最低レベルにまで落ち込んでおり、世界経済へのダメージは不可避」と警告。オックスフォード・エコノミクスは10月末に発表した報告で「憂慮すべきは今回のインパクトがポストコロナ期の原材料高騰、物資不足に関係するのみならず、中国の国内需要の疲弊も大きな要因となっていることだ」との見解を示したほか、仏投資銀行ナティクシスのアジア太平洋地域首席エコノミストであるアリシア・ガルシア・ヘレロ氏は「長期的に見ると、中国は生産力の低下、高齢化という二重の問題に直面している」と述べたという。

記事は、中国の経済成長鈍化のダメージを真っ先に受けるのは、サプライチェーンで緊密な関係を持っているアジア諸国であると指摘。韓国、タイ、台湾のほか、輸出先の20%を中国が占めているベトナムなどが大きな影響を受けるとしたほか、フィリピンの中央銀行総裁も10月初めに「中国経済が鈍化すればフィリピンの輸出と観光業に影響が出る可能性がある」と警告していたことを伝えた。

さらに、アジア以外にも銅鉱石が主な輸出品であるチリや、中国に牛肉、鉄鉱石、農業の原料を輸出しているブラジルもダメージを免れず、欧州では機械製品の主要生産国であるドイツが真っ先に影響を受け、アフリカではエチオピアや南アフリカなどに大きな影響が出ると伝えた。また、中国国内の建設ストップによってオーストラリアの鉄鉱石輸出も停滞するほか、米国についても中国との経済関係を監督する米議会内の委員会が米国の輸出を引き続き減少させる可能性があるとの予測を示したとしている。

記事は、中国の経済成長鈍化がもたらす唯一のメリットは世界のインフレを緩和させ、エネルギー価格の高騰を抑制することだと紹介。デメリットがメリットを大きく上回る状況の中、中国に代わって世界経済を牽引する新たな新興経済国の出現は望めず、「世界は構造的な問題を急いで解決しなければならない状況に直面している」とヘレロ氏が指摘したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)