来年3月の韓国次期大統領選は与党「共に民主党」の李在明・前京畿道知事と野党「国民の力」の尹錫悦・前検事総長による事実上の一騎打ちの構図が固まった。両氏は支持獲得に向け連日、舌戦を繰り広げているが、主要紙は「ばらまきを競い、非難し合うポピュリズム選挙」と自制を求めた。

東亜日報は社説で李氏の「今年の超過税収は40兆ウォン(約3兆6000億円)ほどになる」「金持ちの国の貧しい国民は穏当なことなのか」との発言や、尹氏の「新政府発足100日間で50兆ウォンを投じ、政府の営業制限による(自営業者などの)被害を(原則的に全額)補償する」との主張を取り上げ、「先を争って数十兆ウォン規模のばらまきを約束している」と批判した。

李氏については「国家の蔵が満たされているという主張はごり押しだ」と論難。「今年の赤字国債発行の規模は100兆ウォンを超える。李氏の主張通り、全国民に30万〜50万ウォンを支給するには15兆〜20兆ウォンが必要で、国債発行が避けられない。『金持ちの国の貧しい国民』は典型的なポピュリズム論法と言わざるを得ない」と断じた。

尹氏に関しては「李氏を念頭に『悪性ポピュリズムは税金略奪』『大統領選挙は合理主義者とポピュリストの戦い』と述べた」と紹介。その一方で「100日内に50兆ウォン投入」などの約束に疑問を投げ掛け、「50兆ウォンを調達するには国債を発行するか他から金を絞り出すかしなければならないが、どこからどのように財源を調達するというのか。国家の財政状況を考慮せず数十兆ウォンの約束を乱発するのは、李氏が見せてきた言動と大差ない」と切り捨てた。

社説は「韓国の国家債務は来年1000兆ウォンを突破する。2029年には2000兆ウォンを突破するという予測(国会予算政策処)も出ている」と指摘。「最近の経済協力開発機構(OECD)の報告書によると、30 〜60年の韓国の潜在成長率は0.8%で、加盟国の中で最も低いという分析だ」と続けた。

さらに「国際通貨基金(IMF)が先進国に分類した35カ国のうち、今後5年間、経済規模対比国家債務の増加速度は最も速いという。成長率はビリ、債務増加速度は1位なら国はどうなるのか」と言及。「にもかかわらず国家の未来の暗い展望には目を閉じたまま、数十兆ウォンのばらまきだけを叫ぶのか」と重ねて李、尹両氏を非難した。

選挙戦の行方は現段階では尹氏がやや優勢。聯合ニュースが伝えた韓国の世論調査会社リアルメーターが10日に発表した調査結果によると、尹氏の支持率は44.4%となり、李氏の34.6%を9.8ポイント上回った。(編集/日向)