2021年11月19日、韓国・ニュース1は、米政府が来年2月の北京冬季五輪に役員関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を検討していることについて、「決定した場合、韓国政府の朝鮮半島平和計画にも支障が生じる」と伝えた。

記事によると、韓国政府は北京冬季五輪を、こう着状態にある南北関係を改善させるきっかけにするため構想を練ってきた。五輪を機に終戦宣言や米朝対話を行い、それを朝鮮半島の非核化と平和定着、南北交流協力につなげたい考えだった。

ところが、国際オリンピック委員会(IOC)が9月に北朝鮮の北京五輪参加資格を剥奪したことに続いて米国の不参加まで決定すれば、韓国政府の推進する「平和計画」は勢いを失う可能性が高いという。

慶南大学極東問題研究所の林乙出(イム・ウルチュル)教授は「中国の状況、北朝鮮の意思、米国のボイコットの可能性、新型コロナウイルス感染症などの要因が作用するため、北京五輪をきっかけに朝鮮半島平和計画を再び推進することは難しいだろう」と指摘した。

北朝鮮が五輪に参加するには、北朝鮮が積極的に参加意思を示すことはもちろん、コロナ感染者が出た場合に地域全体を封鎖する「ゼロコロナ政策」を行う中国がそれを積極的に支持してIOCを説得する必要があるという。

さらに、米国が外交的ボイコットを決定した場合、米中対立悪化による外交的負担も懸念される。また、韓国政府は終戦宣言をめぐる米韓の協議を肯定的に評価しているが、専門家からは「米国は終戦宣言に全面的に応じていない」「韓国政府が終戦宣言を推進するには好ましくない状況」との指摘が出ているという。

韓国政府関係者は「ボイコットについて米国の立場はまだ決定していないため状況を見守っている」としつつ「韓国政府は基本的に、北京五輪などの主要イベントが南北のスポーツ交流や信頼関係改善の大きなきっかけになるという認識を持っている」と話したという。

これに韓国のネットユーザーからは「朝鮮半島平和への道はいつだって険しいね」「五輪が政治に汚されつつある。南北平和統一に反対する米国にはバチが当たってほしい」「なぜいつも米国に振り回されるのか。今も植民地時代を生きている気分」「日米中の中で朝鮮半島の平和統一を願う国はない。他国の紛争は自国のチャンスだから」「どの国も当然、自国の国益を追求する」などため息交じりの声が上がっている。

一方で「そもそも北朝鮮に終戦宣言する気がないのに、韓国だけが頑張ってどうする?」「平昌五輪のときのような平和ショーができなくなったね。韓国政府は北朝鮮に貢ぐ口実がなくなってがっかりだろう」「終戦を宣言すれば北朝鮮から核兵器がなくなると信じている韓国政府は本当に無能だ」など、韓国政府の計画に疑問を示す声も寄せられている。(翻訳・編集/堂本)