中国で新型コロナ感染症が拡大し、上海市などで都市封鎖(ロックダウン)が続く中、米ブルームバーグ通信は欧米の金融機関が独自の中国の2022年成長率見通しを相次いで引き下げた、と報じた。中国当局は感染拡大が経済にリスクをもたらしているとしながらも、成長目標を達成し、雇用を安定化させると強調している。

中国の李克強首相が3月の全国人民代表大会(全人代)で掲げた通年の国内総生産(GDP)成長率目標は「5.5%前後」。中国国家統計局が18日発表した1〜3月期のGDPは、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比4.8%増加した。4.0%増だった前期から加速したが、成長ペースは中国政府が掲げた今年の成長率目標を下回った。

1〜3月期分には最近のロックダウンの影響は完全には織り込まれていないとされる。最大の経済都市・上海市のロックダウンは続いており、4〜6月期以降で成長率を挽回できるかどうか見通せない状況だ。

ブルームバーグ通信によると、スイスUBSの汪涛氏らエコノミストは18日の顧客向けリポートで「経済への強い下押し圧力を考慮」し、GDP成長率予想を5%から4.22%に引き下げた。バークレイズも同日、「コロナをめぐる混乱が長期化するとの想定」で、成長率予測を0.2ポイント下方修正し4.3%に変更した。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)は18日のリポートで4.8%から4.2%に下方修正。スタンダードチャータードもロックダウンの悪影響が強まるとして5.3%から5%に引き下げた。

UBSのエコノミストは「主にインフラ投資拡大や与信の伸び強化、不動産政策の緩和という形で政策支援が強まると期待している」とする一方で、政府が今年5.5%前後の成長率目標達成のために「必要なことは何でもする」ということもなければ、「コロナ政策を近く変えることもない」との見方を示した。

BofAは産業が集積している上海市を含む長江デルタ地域のロックダウンが5月半ばまで続く一方、全面的ロックダウンが他の主要都市や経済中心地に広がることはないと分析。ただ、部分的ないし完全な形で広がっていく弱気シナリオではショックが長引き、今年のGDP成長率がわずか3.5%になる可能性もあるとした。

これに対し、国営新華社通信は18日に配信した中国経済に関する質疑応答で、経済が「下振れ圧力の増大」に見舞われおり、「困難や課題が大きく増えている」と報道。その一方で経済にはまだ「多くの戦略的利点」があるとし、「当局は強い自信を持って、年間目標の達成に向け取り組む」との複数の当局者の声などを引用して伝えた。(編集/日向)