独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは27日、「ドイツが日本に向けて発信するシグナル」とする記事を掲載した。

ドイツのオーラフ・ショルツ首相は今月28〜29日に就任後初となる日本訪問を行う予定である。これはショルツ氏の欧州外の国への訪問としては米国とイスラエルに続いて3カ国目である。記事は、「ショルツ氏はこの機会を利用し、ドイツにとって日本がますます重要になってきていることを強調するねらいだ」とした。

記事は、外交関係者から「今回の訪日が発するメッセージは『ドイツはアジアを無視しているわけではない』というものだ」との指摘が出ているとする一方で、「もちろん、別の正式な理由がある」とし、「今年のG7サミットの主催国として参加国を訪問する通例に従ったもの」との見方を示した。

そして、「ショルツ氏の東京訪問は20時間ほどだ。その間に岸田文雄首相と会談し、夕食を共にする。ロシアへの制裁やロシアの天然ガスへの依存問題、半導体とその原材料のサプライチェーンの安全問題、地政学的な問題などが中心議題となる」と述べた。また、滞在期間のショルツ氏の予定について、「経済界の代表団が訪問に同行する。ショルツ氏は在日ドイツ商工会議所の経済会議で講演をする」「ショルツ氏は川崎市の水素サプライチェーン構築モデルプロジェクトを見学する。水素燃料の分野では日本は世界をリードしているからだ」と伝えた。

記事は、「ドイツと日本の急接近は民主国家と専制国家の間の競争の悪化に関係がある」とし、「ドイツのアンゲラ・メルケル前首相はアジアを訪れる際、中国への配慮を優先し、現在のショルツ氏のように日本にだけ訪れることはなかった。しかし、中国が新型コロナウイルスの影響で採用した封鎖政策と、ロシアがウクライナ侵攻戦争を起こしたにもかかわらず引き続きロシアとの関係を維持していることが、ドイツと日本の関係の進展を加速させた」と分析した。

また、昨年4月に行われた初の日独「2プラス2」外務・防衛閣僚会合がテレビ会議方式で行われたことに言及し、「現在、ドイツは日本との対話を政府間協議のレベルに引き上げようとしている」とした。

記事は、ハンブルクのGIGA(グローバル地域研究所)アジア研究科のパトリック・ケルナー研究所長の主張を引用し、「この2年間で、(ドイツにとっての)日本の重要性がますます明らかになっている。なぜなら、日本はアジアにおけるドイツの最も重要な価値および利益におけるパートナーだからだ。気候保護の分野では完全には協調していないが、両国間の相互補完の分野では非常に大きく、協力のために良好な基礎を作り出している」とした。

さらに、読売新聞の編集委員で元ベルリン特派員でもある三好範英氏の言葉を引用し、「日本から見れば、ドイツは世界でも数少ない信頼できるパートナーの一人である。ドイツとの協調と協力は、日本がロシアや中国に対応するのに非常に重要である」との指摘を伝えた。(翻訳・編集/刀禰)