新型コロナの感染対策で中国と韓国がますます対照的な道を歩んでいる。中国では「ゼロコロナ」を目指す中、上海などに続き首都北京でも市中感染が拡大し、市民約2000万人を対象にPCR検査に踏み切るなど厳戒態勢が鮮明になった。韓国は感染者が減少したとして、屋外でのマスク着用義務を解除した。

中国国営新華社通信などによると、感染拡大を抑えるため、北京市政府は5月3日、4日、5日には生態保全エリア5カ所を除き、市内の東城、西城、朝陽、海淀、豊台、石景山、房山、通州、順義、昌平、大興、北京経済技術開発区の12カ所で、3段階の地域レベルのPCR検査によるスクリーニングを連続して実施。1日からは市郊外にあるテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・北京」(USB)が一時休園となった。再開時期は未定だ。

市政府4月30日、5月4日までのメーデー連休中、店内での飲食禁止を発表。上海などと同様の都市封鎖(ロックダウン)を恐れ、市民が買いだめに走る場面もあった。5月1日には約1200床の専用病院「小湯山医院」を再稼働させ、軽症者ら12人を収容。同医院は2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の患者隔離のため建設され、新型コロナ拡大初期の20年3〜4月にも感染者を受け入れた。

さらに市政府は連休後の5日以降は商業施設やレストラン、オフィスビルなど公共の場所を訪れる時や公共交通機関を利用する際に7日以内の陰性証明を提示することを義務付けるとしていて、感染拡大に神経をとがらせている。北京がロックダウンとなるかは政治的影響が大きいことなどから、微妙な情勢とされる。

一方、韓国・聯合ニュースによると、中央防疫対策本部は4日、この日午前0時現在の国内の新規感染者数は前日午前0時の時点から4万9064人増えたと発表した。重篤・重症患者は432人、新たな死者は72人だった。韓国内の感染者は3月中旬、1日当たり60万人を超えていたが、10分の1以下に大幅に減少した。

こうした傾向を受けて、韓国政府は2日から屋外でのマスク着用義務を解除した。公共交通機関を利用する際や50人以上の集会、スポーツ観戦などでは引き続き着用が必要となる。規制緩和を進める文在寅政権に対し、10日に発足する尹錫悦政権は「時期尚早」と批判的で、今後見直される可能性もありそうだ。

朝鮮日報によると、ノーマスク初日の2日、街で出会った人々のほとんどはいつも通りマスクをしたままだった。ソウル中心部の清渓川周辺や徳寿宮の石垣道などを歩く人々も10人中8、9人以上がマスク姿だった。

市民の間では「マスクを外すのがあまりにも久しぶりなので落ち着かない」「周りの人の目が気になる」という反応が多かったという。(編集/日向)