2022年5月9日、華字メディア・日本華僑報は、「日本社会の憲法改正に対する態度が変化している」とする文章を掲載した。以下はその概要。

75回目の憲法記念日を迎えた3日、岸田文雄首相は改憲を推進する集会で発表したオンライン演説の中で改憲への意欲を改めて示した。近年、日本世論の改憲に対する態度には変化が見えて始めている。

読売新聞が3日に発表した世論調査では60%が改憲に賛成した。NHKの同日発表の調査でも35%が改憲を必要と回答し、「必要ない」の19%を上回った。調査の実施方法が異なるため結果にばらつきはあるものの、いずれの結果からも「改憲支持層が、改憲反対層を上回りつつある」という大まかな民意の傾向が見て取れる。

長らく改憲に賛同してこなかった日本社会の民意に変化が生じた背景にはまず、自民党政権が近年繰り返し改憲の喧伝(けんでん)を行ってきたことがある。12年の第2次安倍晋三内閣、20年の菅義偉内閣、そして昨年9月に発足した岸田内閣と、自民党政権は一貫して日本周辺の脅威をあおり立ててきた。最初は北朝鮮の脅威に始まり、それから中国の脅威、そして最近ではウクライナ問題にかこつけて「中国とロシアの脅威」と喧伝を繰り返し、日本国民の不安をあおり立てた。これにより、人々が徐々に改憲を支持し始めたのである。

また、米国が日本の改憲を黙認しようとしていることも大きな要因だ。米国の総合力が衰退しつつあるのは争い難い事実であり、米国は一連の戦略の中で、日本に安全保障、防衛の面で一層重要な役割を担ってもらいたがっている。実際、よくよく観察してみれば、米国は日本の改憲問題において否定的な意見を表明していないことにすぐ気付く。

ただ、留意しなければならないのは、日本社会の民意が改憲を支持し始めている一方、自民党政権が改憲の柱としている憲法第9条の改正に対してはなおも賛否が分かれている点だ。読売新聞の世論調査では、80%が憲法第9条第1項の改正について「必要ない」と回答している。NHKの調査では31%が「賛成」と回答、30%が「反対」と答えている。

今後、日本政府、自民党および改憲勢力が引き続き「周辺の脅威」を持ち出して社会の民意を憲法第9条改定賛成へと扇動するだろう。その際、日本社会の民意がどう変化するか、中国を含む周辺国は注視、警戒すべきだ。(翻訳・編集/川尻)