2005年11月から07年1月まで中国の駐ウクライナ大使を務めた高玉生(ガオ・ユーション)氏はこのほど、あるシンポジウムで、ウクライナ戦争におけるロシアの状況は日に日に受け身・不利になっており、敗北の兆しが現れているとの見方を示した。

中国国際金融30人論壇と中国社会科学院国際研究学部が主催した内部のオンラインシンポジウムで高氏が発言した内容(本人による修正済み)が、中国のニュースサイトの鳳凰新聞に10日付で掲載された。

それによると、高氏は「ロシアが失敗に向かっている要因」として次の5点を挙げた。

(1)ロシアはソ連が崩壊して以来、衰退を続けているが、それは崩壊前のソ連の衰退が続いていると同時に、ロシア指導部の内外政策における失策とも関係していて、西側の制裁によって衰退がさらに進んでいる。プーチン氏のリーダーシップによるロシアの復興または振興と呼ばれるものは、そもそも存在しない偽の命題だ。ロシアの衰退は、経済、軍事、科学技術、政治、社会などの各領域で現れており、ロシア軍およびその戦力に対しても著しいマイナスの影響を及ぼしている。

(2)ロシアの電撃戦の失敗、速戦即決できなかったことは、ロシアが失敗に向かい始めたことを示唆している。いわゆる軍事超大国の地位と極めて不釣り合いな経済力では、1日数億ドルの費用がかかるハイテク戦を支えることは難しい。貧しさによる敗北というロシアの苦境は戦場の至る所に見られる。戦争が1日長引くごとに大きな負担となる。

(3)軍事力と経済力におけるロシアのウクライナに対する優位性は、ウクライナの粘り強い抵抗と西側諸国による莫大(ばくだい)かつ継続的、有効な支援によって相殺された。軍事技術、武器装備、軍事理念、戦闘モデルなどの領域におけるロシアと米国など北大西洋条約機構(NATO)諸国との世代のずれにより、両者の優劣がより顕著になっている。

(4)現代の戦争は、軍事、経済、政治、外交、世論、プロパガンダ、諜報、情報などの領域を含むハイブリッド戦争だ。ロシアが戦場だけでなく他の領域でも敗北していることは、ロシアが最終的に敗れるのは時間の問題にすぎないことを決定づけている。

(5)今回の戦争がいつどのように終結するかは、ロシアの思うままにならないものとなっている。既得の成果を確保した上でできるだけ早く戦争を終わらせたいというロシアの当てはすでに外れている。この意味において、ロシアはすでに戦略的主導権を失っている。(翻訳・編集/柳川)