2022年5月17日、華字メディアの中文導報は、トヨタ自動車、ソニーグループなどの日本企業が先日公表した2021年度決算から、日本経済の現状や傾向を分析する記事を掲載した。

記事は始めに「新型コロナの流行が3年目に入り、ロシアとウクライナの戦況が長期化し、円安が続く中で、日本の上場企業は21年度の決算を公表したが、良い知らせもあれば、悪い知らせもあった」として、日本経済の現状を分析するための代表的な企業として、トヨタ自動車、ソニーグループ、7大商社(伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅、豊田通商、双日)、ソフトバンクグループの決算報告に言及した。

その上で、トヨタ自動車が11日に発表した昨年度決算の内容について、「純利益が26.9%増の2兆8501億円」「営業利益は前年比36.3%増の2兆9956億円で、売上高は前年比15.3%増の31兆3795億円」「純利益、営業利益、売上高はいずれも過去最高を更新」「新型コロナの影響で低調だったアジアや北米市場が回復し、想定よりも円安が進んで業績が大きく押し上げられた」と紹介した。

次に、ソニーグループが10日に発表した昨年度決算の内容について、「売り上げが前年度10.3%増の9兆9215億円」「営業利益25.9%増の1兆2023億円」「売り上げ、営業利益とも過去最高」「映画『スパイダーマン』の最新作のヒットによる興行収入の増加など、エンターテイメント分野の業績が好調だったことに加え、円安により海外事業の業績が押し上げられた」「今年度はゲーム機の販売が伸びることなども見込んで、売り上げの見通しを11兆4000億円と予想」「中国での新型コロナの感染拡大がいつまで続くかが今後のリスク要因となる」と紹介した。

続いて、7大商社が10日に発表した昨年度決算の内容について、「7社全ての純利益が最高益となったが、ロシア関連事業の損失処理も相次ぎ、7社のうち6社で総額2700億円のマイナスの影響があった」「丸紅は米航空機リース事業の影響で130億円以上の損失を計上」「住友商事は航空機リース事業を中心に580億円の損失を計上した」「双日の損失は30億円、豊田通商はゼロ」と紹介した。

さらに、ソフトバンクグループが12日に発表した昨年度決算の内容について、「最終損益が1兆7080億円の赤字」「前期は過去最高の純利益4兆9879億円を記録したが、世界的に株価が低迷し、未公開企業に投資するビジョン・ファンド事業の運用成績が急激に悪化」「前期の9615億円の赤字を上回る赤字幅」「ビジョン・ファンドの投資損失は約3兆7000億円」「孫正義会長兼社長は攻めの投資を当面控える方針を示した」と紹介した。

記事は最後に「新型コロナの流行下での決算発表で、各企業の業績に明暗が分かれた」と指摘した上で、12日の東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓(10+3)の財務相・中銀総裁のテレビ電話形式による会談後に公表された共同声明に言及し、「日本経済の現状と傾向を読み解くヒント」として、「日本は大型製造業と商社が経済の根幹を支える製造立国と貿易立国で、投資王国の米国とは本質的に違う」「新型コロナの国際的な感染拡大への対処を各企業が迫られる中で、生産業は比較的早くに回復を遂げたが、サービス業は依然として厳しい」「新型コロナの影響が長期にわたる中、大企業は危機を脱しつつあるが、日本経済を支える8割の中小企業はすでに満身創痍(そうい)で、十分な国家の支援もなく深刻」「ロシアのウクライナ侵攻による日本企業や日本経済へのダメージは長引く」「日本円の為替レートはもろ刃の剣で、トヨタ自動車やソニーのような大企業が過去最高の業績を上げたのは、円安による所も大きい」「22年になって米ドルの金利上昇が日本を含むアジア経済を圧迫すると予想される。10+3の共同声明では地域金融協力の重要性が改めて認識された」などの六つの視点を紹介した。(翻訳・編集/原邦之)