韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が発足して1カ月余りがたつ中、華字メディアの日本華僑報網は「岸田文雄首相は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の期間中、尹大統領に会うのか」との文章を13日付で掲載した。以下はその概要。

韓国メディアによると、尹大統領は招きに応じて今月29〜30日にスペインで行われるNATO首脳会議に出席する。岸田首相も出席の見込みがあるため、この期間中に首脳会談が実現して日韓関係が元通りになるよう促せるかどうかに両国世論の関心が集まっている。会談が開かれれば2019年12月以来の日韓指導者による二国間会談となり、依然低迷状態にある日韓関係について言えば両国指導者の接触は少なくとも関係改善に向けたシグナルを発することができる。ひいては今後の日米韓3カ国の協力にも影響が生じるだろう。

実際のところ、野党の尹氏が大統領に就任してから日韓関係には一定の変化が現れている。まず、尹氏は当選を確認すると速やかに岸田首相と電話会談を行い、日本に特別代表団を派遣した。そして尹氏の就任式には林芳正外相が岸田首相の特使として出席。今月10〜12日にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)の期間中にも日米韓防衛相の3カ国会談が行われた。日韓関係はまだ谷底から完全に脱していないが、岸田政権と尹政権のやり取りの増加は事実であり、まるで相手の誠意はどれほどかと探り合いを続けているかのようだ。

ただ、日韓双方が秋波を暗に送っている最中だが、今月末の首脳会談が実現するかどうかには一定の不確定要素が存在する。日韓関係の深刻な低迷を招いた原因は、韓国政府が慰安婦問題に関する合意を破棄したことや韓国の裁判所が元徴用工問題で日本企業に重罰を決めたことに日本が不満を抱いたことにあり、また、もう一方では日本では7月に参議院議員選挙が行われる見通しで、現在の世論調査から見ると岸田氏率いる自民党が勝利する確率が高いが、歴史的な円安や国民の生活コストの増加は岸田政権を野党、メディア、民意の鋭い批判にさらしている。岸田首相が日韓首脳会談の開催について明確な態度を示していないのは現在の内政情勢に一定のネガティブな動きが出ているためであり、もしうまくコントロールできなければ政権の長期安定化に衝撃をもたらす。それゆえ、尹大統領に会うかどうか、岸田首相が持っているノートの極めて上位にあるとは限らないであろう。(翻訳・編集/野谷)