学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」は15日、中国の月探査機「嫦娥5号」による重要な研究成果をオンライン掲載した。中国科学院、中国科学院地質地球研究所などの機関が協力し、世界で初めて月のサンプルの実験室分析結果と月表面現場探査のスペクトルデータを合わせ、月のサンプルの水の有無、形態、量を検証し、嫦娥5号着陸エリアの水の分布の特徴および出所の問題に解答し、リモートセンシング探査データの水の信号の解釈と推計にグランドトゥルースを提供した。

月には水があるか、どれほどあるか、どのような形態の水か、出所についてはさまざまな意見があり、常に月科学研究のホットな分野になっている。

嫦娥5号任務の立案および論証の当初、研究チームは着陸機の月鉱物スペクトル分析器のスペクトル波長範囲を3.2μmに拡大すると打ち出し、そして世界で初めて月面水スペクトル吸収特徴の現場探査を実現した。研究チームは、嫦娥5号着陸エリアの月の土壌に、ヒドロキシ基の形態の「水」が含まれることを発見したが、その平均含有量はわずか約30ppmと低かった。

月の「水」の出所については現在、(1)太陽風粒子と月面物質の相互作用によって生まれた(動的)ヒドロキシ基物質(2)月に衝突した彗星もしくは隕石がもたらした水とヒドロキシ基を含む物質(3)月(内部)に元からあった水――という3つの可能性があるとされている。

実験室の分析によると、嫦娥5号の月のサンプルは若い玄武岩で、ガラス質組織の含有量が少なく(16%未満)、アポロ11が持ち帰った月のサンプルの3分の1に過ぎない。ここから試算すると嫦娥5号のサンプルにおける太陽風がガラス質組織を注入することによって形成された「水」が18ppmを下回る。また、嫦娥5号の月のサンプルに含まれる外部からの衝突により飛散した物質が非常に少なく、「水」への貢献を無視できる。そのため嫦娥5号の月のサンプルには、月の内部に元からあった水が存在するに違いない。

嫦娥5号の月のサンプルに対する実験室分析により、少なくとも1種の含水鉱物である水酸燐灰石が見つかった。その含有量は不均一で、サンプルのヒドロキシ基に換算した水の含有量は0−179ppmとなっている(平均約17ppm)。これは嫦娥5号の月のサンプルにマグマ結晶過程からの「水」が存在することを証明し、「水」が月後期マグマ活動過程に存在しただけでなく、非常に重要な役割を果たした可能性があることを物語っている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)