中国船舶集団の江南造船所で17日午前、中国3隻目の空母の進水命名式が行われた。艦名は「福建」。米海軍は原子力空母を運用しているが、「福建」は通常動力だ。中国メディアの環球時報はSNS公式アカウントの「枢密院十号」を通じて、現状では「原子力空母の優位性は現時点でははっきりしていない」などと論じる記事を発表した。以下は、その抄訳だ。

航空母艦の動力源は原子力と内燃機関(通常動力)に大別できる。世界の現役空母で原子力を採用しているのは、米国のニミッツ級とフォード級、フランスのシャルル・ドゴールだけだ。その他の空母はいずれも通常動力だ。

原子力空母の主たる強みは「無限に近い航続能力」だ。さらに燃料タンクや煙突の空間を節約できるので、より多くの武器や装備、艦載機の燃料を搭載できる。

しかし通常動力空母と原子力空母で、作戦効率に大きな違いはない。米空母「キティーホーク」は2009年まで現役だったが、艦載機部隊は同時期の原子力空母と大差なかった。

一方で、原子力空母には短所も目立つ。まず、建造費が高く、建造期間が長く、補修の難易度が高い。さらに、戦闘時に被害を受ければ、深刻な事態が生じかねない。

例えば「フォード」クラスのA1B加圧水型原子炉2基の建設費は数十億ドル(2022年6月18日時点の為替レートで、50億ドルは約6750億円)もする。原子炉を保護機構の建造にも莫大(ばくだい)な費用もかかる。さらに、原子力空母は解体費用も通常動力の空母に比べてはるかに高い。全寿命期間の費用累計を見ると、原子力空母の場合は通常動力空母を大きく上回るとされる。

また、航空母艦は護衛のための巡洋艦や潜水艦、補給艦など多数の軍艦で構成される「空母打撃群」と呼ばれる艦隊として行動する。原子力空母の最大の長所は航続距離の長さだが、「空母打撃群」のその他の軍艦は通常動力であり、しばしば補給する必要がある。原子力空母の航続距離を生かして世界展開するためには、世界各地に拠点を造って兵たんを確保せねばならない。世界展開を考えない国の場合、本当に原子力空母を必要とするかどうかは、議論の余地がある。

ただし、より長期的に考えれば、原子力空母には優位性があると言える。技術の進歩に伴い、電磁力により砲弾を射出するレールガンやその他の電磁力を利用する兵器が出現するからだ。それ以外にも電子機器の大幅増で、艦内での電力需要は急増すると考えられる。

米国の原子力空母の「ジェラルド・R・フォード」級空母や英国の通常動力空母である「クイーンエリザベス」は、総合電力推進システムを採用している。まず高出力発電機で発電して、状況に応じて動力システム、レーダーシステム、武器システムなどの異なる部門の電力需要をコンピューターで精密に計算して分配する方式だ。

高速航行が必要な場合には推進システムに電力を優先して供給し、作戦時には電力を武器システムなに供給する。将来は艦内での電力需要が現在よりも大幅に増大する見込みだが、通常動力システムでは発電量を大きく増やす事は困難だ。しかも通常動力では、長時間にわたりフル出力で運転することが難しい。出力が大きく、持続作業時間が長いという原子力が有利になっていくことは明らかだ。(翻訳・編集/如月隼人)