2022年6月19日、韓国・ソウル新聞によると、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が早ければ今月末に元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)問題の解決に向けた官民協力機構を発足させる。記事は「この問題は文在寅(ムン・ジェイン)政権で4年近く放置されていたが、尹政権はこの問題を解決せずに日韓関係を回復させることは難しいと判断した」と分析している。

日韓の外交消息筋の話を総合すると、18年10月に韓国大法院(最高裁に相当)が日本製鉄に対し、日本植民地時代に労働を強いられたと主張する韓国人元徴用工らに1人1億ウォン(約1000万円)を賠償するよう命じる判決を出したが、その後に原告と被告間の対話は行われていない。ある外交消息筋は「文政権の“被害者中心主義”の中で誰もこの問題を扱わずそのまま時間が流れ、ついに避けられない局面に入ってしまった」と説明したという。

記事は「賠償に向けた日本企業の韓国内資産売却が迫っており、このまま放置すれば日韓関係は破局を迎えることになる」とした上で、「尹政権が官民協力機構を通じて被害者らの望む解決方法を見つけ、日本企業の資産差し押さえを阻止できれば、日韓関係改善の糸口をつかむことができる」と指摘している。さらに、大法院判決の後に強化された日本の対韓輸出管理措置や、実質的に作動していない状態の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)についても「日本政府が最も神経をとがらせている日本企業の資産売却問題を阻止すれば、輸出管理措置の解除やGSOMIA正常化につながる可能性がある」としている。

岸田文雄首相は11日、アジア安全保障会議に出席した際に日韓関係について「旧朝鮮半島出身労働者問題をはじめとする日韓間の懸案を解決することが急務」との考えを示した。記事は「今回、官民協力機構発足をきっかけに解決法を見つけられたら、日本政府が日韓関係悪化の責任を韓国政府に押し付けることは難しくなる」と期待しつつも、「ただ実際に解決法を見つけるのは難しいとの懸念も大きい」と伝えている。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「無視していれば日本から歩み寄ってくるだろうに、なぜこんな屈辱的な外交をする?」「韓国国民は日韓関係の改善なんて望んでいない」「国と被害者らの気持ちを踏みにじる行為だ」「いっそ何もしないほうがまし」「日本の国レベルでの謝罪がほしいのであって、お金がほしいのではない」「嫌な予感がする。この問題に対しては文政権のように強硬対応をするべきだ」など、反発の声が多数寄せられている。(翻訳・編集/堂本)