フランスの国際放送メディア・RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)は22日、同日に公示された日本の参議院選挙における各党の対中国姿勢を分析する記事を掲載した。

7月10日に投開票が行われる今回の参院選では、545人の候補者が改選議席に欠員補選や公職選挙法改正で増えた議席を加えた125議席を争う。

記事は、「今回の選挙の最大のポイントは、自民党と公明党が参議院の過半数の議席を維持できるかどうかだ」とし、「両党の非改選議席を見ると69議席なので、56の改選議席を獲得すれば参院定数の125議席のうち過半数を超える。現在の選挙情勢からすれば自民公明両党の勝利が確実とみられている」と説明。また、「現在の日本では憲法改正の声が強く、憲法改正を支持する立場の自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の4党が、憲法改正の発議に必要な議席数の3分の2を維持できるかどうかも注目されている」と述べた。

さらに、「今回の選挙での各党の中国に対する姿勢はどうだろうか?」とし、「与党の中では自民党の外交・安全保障政策が最も強硬である」として自民党の選挙公約を紹介した。例として、「ロシアに対し厳しい制裁措置を講じるとともに、ウクライナ及び周辺国への人道復興支援を強化します」「『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向け、米、豪、印、欧州、ASEAN(東南アジア諸国連合)、太平洋島しょ国、台湾等との連携を強化します」「尖閣諸島周辺をはじめ、領土・領海・領空を断固として守り抜くため、海上保安庁の体制拡充・自衛隊との連携強化等により、領域侵害に対処するための万全の措置を講じます」といった公約を取り上げた。

これらの公約について記事は、「日米豪印4カ国の協力の枠組み(クアッド)だけでなくASEAN、太平洋島しょ国、台湾を加えたことは、日本がクアッドよりも大きな包囲網をつくろうとしていると理解できる。特に台湾を加えたことで、さらに中国と真っ向から対立する姿勢を示した。さらに尖閣諸島の防衛に重点を置き、同問題で中国に対抗する方針を強化したことを示している」と分析した。

次に、最大野党である立憲民主党の「弾道ミサイル等の脅威への抑止力と対処能力強化を重視し、日米同盟の役割分担を前提としつつ、専守防衛との整合性など多角的な観点から検討を行い、着実な防衛力整備を行います」「総額ありきではなく、メリハリのある防衛予算で防衛力の質的向上を図ります」といった選挙公約のほか、核共有や尖閣諸島の警備について述べたものを取り上げた。

記事は、2党の選挙公約を分析し、「ここ(選挙公約)でわざわざ尖閣諸島の警備に言及していることに、日本与野党の中国に対する警戒の強さが見てとれる」とした。

最後に、「与党も野党も、選挙公約で『中国』の2文字にほとんど言及していない。しかし、全体的な安保や外交(の選挙公約)から見ると、日本の各党の多くが中国に厳しい目を向けるようになっている」とし、非営利団体「言論NPO」と中国国際出版集団が昨年10月20日に発表した「第17回日中共同世論調査」の結果を引用。同調査によると、中国の印象を「良くない」「どちらかといえば良くない」とした人が5年ぶりに90%を超えた。記事は、「選挙で日本の各党が『日中友好』を強調すれば票を失う可能性がある」と指摘した。(翻訳・編集/刀禰)