中国メディアの華爾街見聞(ウオール街見聞)はこのほど、電気自動車(EV)時代の到来にともない、中国の電池メーカーと日本や韓国の電池メーカーとの間に激烈な競争が発生するが、中国のメーカーの方が有利と主張する記事を発表した。

中国海関総署(中国税関)によれば、中国の5月の自動車輸出は前年同月比35%増の23万台で、1—5月の累計では同43%増の108万台だった。その結果、中国の自動車輸出台数はドイツを抜いて、日本に次ぐ世界第2位になった。

中国の自動車輸出を牽引(けんいん)したのは、「新能源車(新エネルギー車)」だったとされる。新エネルギー車は、従来型のエンジンではない電気自動車(EV)や燃料電池車、プラグイン・ハイブリッド車を指す中国の用語だが、現状では大部分がEVだ。

中国国内では、1−5月期に新エネルギー車の生産台数が207万1000台、販売は200万3000台で、いずれも前年同期の2倍以上になった。また、1月は19%だった新エネルギー車の浸透率は、5月には26%に達した。

中国乗用車市場信息聯席会(乗用車市場情報連絡会)の崔東樹秘書長は「新エネルギー車は中国の自動車輸出の成長の主たる牽引役だ。テスラや上海汽車などはいずれも力強い輸出実績を示しており、輸出先はアジアはアフリカ以外にも拡大している」と述べた。2021年実績で言えば、中国の新エネルギー車の輸出先上位10位以内にベルギー、英国、ドイツ、フランス、オーストラリアなど先進国が含まれるという。

記事はEU市場の状況について、二酸化炭素排出制限がますます厳しくなっており、法律や補助金などが追い風になり、新エネルギー車の浸透率は高い伸びを示していると紹介。欧州の自動車メーカーもEVに力を入れているが、中国のメーカーやサプライヤーにもチャンスが出てくるとの見方を示した。

米国市場については、日韓の電池メーカーが率先して米国の完成車メーカーと提携しており、中国の電池メーカーで米国企業と安定した提携を結んだ実例は安徽省合肥市に本社を置く国軒高科だけたと紹介。しかし、日韓のメーカーが製造する電池も中国が供給する素材を利用しており、米国での車両用電池需要が増せば、中国企業も恩恵を受けるという。

記事はさらに、中国本土の電池メーカーは「これまでの業績を現金化」することで、海外への進出を加速していると指摘。記事は、中国企業は電池製造のコスト削減を進めており、今後は世界各国の自動車メーカーのサプライチェーンに組み込まれるとして、日韓の企業に対する全面的な優位性を確立するとの見方を示した。

ただし、フォルクスワーゲン、ステランティス、テスラなど欧米企業は、電池を自社生産するための技術の取得に注力しており、24年には生産が開始するとみられている。記事は、中国企業のEV用の電池販売について、25年以降でも不確実性があるとの考えを示した。(翻訳・編集/如月隼人)