2022年6月30日、中国紙・環球時報は、「中国の半導体業界の野心を阻むことは難しい」とする、李根(イ・グン)韓国・ソウル大学経済学科碩座教授のコラムを掲載した。以下はその概要。

バイデン米大統領が5月に韓国を訪問した際、真っ先にサムスンの半導体工場を訪れ、そこで尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の歓迎を受けた。現場では尹大統領、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と会談し、サムスンが米テキサス州に半導体工場を建設することを称賛した。

新型コロナ期間、半導体のサプライチェーンが寸断し、自動車やコンシューマーエレクトロニクスなどの一部業界は生産活動の停止を余儀なくされた。半導体供給は国の経済の弾力性に対し大きな役割を担っていることがうかがえ、米中両国の戦略競争において重要なファクターとなっている。

現在、米国が世界の半導体市場シェアの大部分を握っているが、半導体の生産拠点の大多数は米国本土から離れた場所にある。一方、世界最大の半導体市場を持つ中国が半導体分野への投資を強化して米国を追随しており、米国の地位を揺るがそうとしている。

サムスンなどの韓国企業は東芝などの日本企業を追い越すことに成功したものの、製造に必要なハイテク部品を日本などに、ソフトウェアを米国に依存する状態が続いている。一方で中国は、海外からの技術や設備導入が難しくなっている中で、成長のチャンスをつかんでいるのだ。

例えば中芯国際は、最先端の10ナノミリ以下ではなく、厳しい技術移転の規制がかかっていない20〜30ナノミリの半導体生産を強化して自動車半導体分野で巨額の利益を獲得し、この利益を次世代の半導体技術開発に回している。このような成長モデルによって中国の半導体業界は新たな技術を開発し続けているのだ。

米国の中間選挙が迫る中、バイデン政権は難しい二者択一を迫られている。半導体メーカーを含む中国企業への規制を緩和すればインフレ圧力が弱まるものの、中国に飛躍的な進歩の機会を与えることになる。かといって規制を緩和しなければ半導体不足によるインフレがさらに進行する上に、中国も自ら代替技術を身につけて飛躍的な発展を実現する可能性があるのだ。(翻訳・編集/川尻)