中国紙・環球時報は4日、韓国のサムスン電子が回路線幅が3ナノメートルの半導体の量産を世界で初めて開始したと発表したことに、台湾メディアも注目していると報じた。

サムスン電子は6月30日、3ナノ半導体の量産を始めたことを発表。これまでの5ナノ半導体に比べて消費電力を45%削減でき、製品性能を23%向上させることができるという。

中国の市場調査機関・集邦諮詢によると、今年第1四半期の半導体受託製造(ファウンドリー)分野でTSMCのシェアは53.6%に上り、サムスン(16.3%)の3倍強。しかし、環球時報の記事は「3ナノ半導体の量産を開始したことでサムスンは追い上げを加速している。サムスンはアップルやインテル、AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)などの潜在顧客を獲得することでTSMCとの差を縮めるだろう」と伝えた。

また、韓国・毎日経済の報道を基に、韓国の業界内では「先んじて最新技術を導入したサムスン電子は、TSMCを追い越すための基盤を築いた。この技術の差は簡単には埋められないだろう」との見方が広がっていると報じた。

記事によると、台湾メディアもこの話題に大きく注目。台湾・聯合新聞網は7月2日付の記事で「TSMCが3ナノ半導体の生産を開始するのは2023年になってから。サムスンは技術的な優位性を利用してより多くの顧客を獲得する可能性がある」と伝えた。

一方で、「安定供給ができなければ市場は奪取できない」とも指摘。「特にこれまでの4ナノ半導体では、歩留まり率(合格品の割合)がTSMCに及ばないと指摘されてきた。サムスンが受託製造していた5ナノ半導体を使用した米クアルコムのプロセッサーには過熱しやすいという問題があったが、TSMCに変更したことで抑制された。このことから、市場ではサムスンの3ナノ半導体に対する疑問の声も上がっている」と報じた。そして、「早い時期に歩留まり率を引き上げることができるかが、サムスンとTSMCの競争のカギになる」と予想した。(翻訳・編集/北田)