華為技術(ファーウェイ)通信事業者BG(ビジネスグループ)の丁耘総裁は19日、同社が広東省深セン市で開催中の「Win-Winイノベーションウィーク」で「グリーンICT、革新的価値を共に」と題する基調講演を行った。丁総裁は、通信量の増大に伴いデジタル関連によって放出される二酸化炭素量が2030年には20年の3.3倍になるとする試算を紹介し、何としても阻止せねばならないと強調した。

地球温暖化効果ガスの放出抑制は、人類社会に突き付けられた課題であり、産業全体が取り組まねばならない課題でもある。国際電気通信連合(ITU)によると、ICT業界は炭素排出の段階的削減に適応するために、30年までに排出量を少なくとも45%削減しなければならない。丁総裁はこの削減目標を示した上で、デジタル関連産業による情報流量は30年には20年の13倍になるとの予測があると紹介。現在のエネルギー利用効率を適用すると、放出される二酸化炭素は3.3倍になるという。

ファーウェイは出来たる技術の革新と応用により「すべてが結びついた社会を実現させる」ことを社是にしている。この理想を追求すれば、通信量が猛烈に増加することは必至だ。ファーウェイは一方で「グリーンな発展の実現」も強調している。丁総裁は両者の矛盾について「われわれは、かつてなかった厳しい状況に直面している」と表現した。

丁総裁は、ネットワーク関連のエネルギー効率の向上は、通信関連事業者にとっても、コスト削減により利益がもたらされると説明。ファーウェイの取り組みとしては、まず通信関連のサイトについては主要設備と電源を屋外に置くことや新素材の採用で冷却のためのエネルギーを低減する取り組みを続けているという。ネットワーク関連では、構築の簡素化や転送効率の向上に努力している。運用レベルでは、エネルギー効率を視覚化して管理し、最適化戦略の策定と実行に結びつく状況を創出しているという。

丁総裁によると、ファーウェイは100カ国以上の通信事業者に省エネ化のソリューションを提供してきた。ドイツでの事例では、電力効率を分刻みで自己最適化することで、極めて大きな成果を得た。スペインの事例では、基幹ネットワークに光クロスコネクト(データ伝送のための光通信路を自由に切り替える装置)を導入することで、エネルギー効率が80%向上し、コストは29%削減したという。

丁総裁は同講演でICT業界に向けて「全業界が一致してエネルギー効率に関心を持ち、統一された指標体系を通して、エネルギー効率の水準を測定すること」を呼び掛けた。丁総裁によると、「NCIe」という名のエネルギー効率についての標準が、ITUの標準化部門であるITU−Tによる環境や気候変動、循環経済についての標準を認める「ITU−T SUG」の審査を通過しており、年内に正式な標準として発表される見込みという。

なお、「Win-Winイノベーションウィーク」の会場では同日、中国通信標準化協会、中国信通院、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)、中国電信(チャイナ・テレコム)、ファーウェイの連名による「情報通信ネットワークのグリーン低炭素指標体系を共同構築する提案書」が発表された。(翻訳・編集/如月隼人)