林芳正外相と来日した韓国の朴振(パク・ジン)外相が19日、会談した。日韓関係が「戦後最悪」となる中、正式な外相会談は4年7カ月ぶり。両外相は懸案の元徴用工問題の早期解決で一致したが、韓国各紙は「被害者が同意できる意味ある解決法を模索せよ」などと日本側に譲歩を求めた。

ハンギョレ新聞は社説で「これほど長い間開けなかったほどに悪化した両国関係が今回の会談を契機に改善の糸口を見つけられるかに関心が集中している」と指摘。「両国政府は日帝強制動員被害者に対する日本側の謝罪と賠償がない拙速交渉では問題を解決できないことを直視し、被害者が同意できる意味ある解決法を模索しなければならない」と訴えた。

続いて「尹徳敏(ユン・ドクミン)新駐日韓国大使が16日に赴任し、強制動員解決法と関連して「2015年の『慰安婦』合意を教訓にする」と述べたことには意味がある」と言及。「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が両国関係の改善を通した韓米日協力を急ぐあまり、歴史的意味と被害者中心主義の原則に立った解決法のみが持続可能であることを忘れるようなことがあってはならない」とくぎを刺した。

さらに「国際秩序が揺らぐ不安定な世界で両国関係の改善は日本にとっても切実な課題だ」と論評。「岸田政府は両国協力の必要性を現実的に認定し、被害者に対する謝罪と賠償で解決法を用意する勇気と柔軟性を見せなければならないだろう」と述べた。

中央日報は社説で17年12月以来の日韓外相会談を「両国の外交責任者が実に久しぶりに膝を交えて関係改善の必要性と緊急性に共感したことは意味が小さくない」と評価。「これは米中対立構図が日増しに鋭くなるなど、新たな国際秩序の中で韓日両者協力と韓日米三者協力が今までになく緊要な状況で、両国関係を歴史問題に足を引っ張られたまま放置しておくことはできないという共通認識が働いた結果といえよう」とした。

その一方で「韓日関係正常化に向けては依然と先が長い」と説明。「最大のカギといえる強制徴用の解決は日本との外交交渉も重要だが、国内的にも超党派的な合意に至ってこそ実行力を持つ。これは15年慰安婦合意が結局、すべて実行できずに事実上白紙化した過程からも教訓を探すことができる」と警鐘を鳴らした。

その上で社説は「政権が代わっても簡単に覆らないような解決法を用意しなければならない」と強調。「そのためには日本側も強制徴用に対する謝罪や財源拠出など誠意を示すべきだ。『大法院(韓国最高裁)の判決によって韓国が国際法違反状況をつくったので韓国側が国内的に自分で解決しろ』という姿勢だけでは問題解決が難しい。これは韓国政府の意欲だけでは解決できない問題だ」と主張した。(編集/日向)