2022年7月22日、中国紙・環球時報は、韓国半導体業界が米国からの「最後通牒」への対応を迫られる一方、中国市場を捨てられない現実に苛まれていることを報じた。

記事は、韓国政府が21日に人材育成と半導体の自給実現を重点とした「半導体スーパー強国戦略」を発表したと紹介。関連企業による向こう5年間で340兆ウォン(約36兆円)の半導体産業への投資を奨励するとともに、2031年までに15万人の半導体専門人材を育成することが盛り込まれたほか、次世代の半導体開発、半導体材料、部品、設備の自給率を現在の30%から50%にまで高める計画が示されたと伝えた。

その上で、韓国が半導体産業で世界のトップを目指すことを決心した背景には、重要産業における対中依存度が明らかに上昇している現実があると指摘。太陽光発電用部品、エスカレーター、炊飯器などの対中依存度が97%以上に達し、電動トラック、食器洗浄機、ドローン、蒸気ボイラーなども今年上半期は依存度が初めて80%を超え、ニンニク、小豆、唐辛子などの食品もほぼ完全に中国からの輸出に依存しているとした。

さらに「新エネルギー交通革命」に必要な電池の原材料である水酸化リチウム、ニッケル、マンガンや半導体製造に必要な希ガスのネオンも著しく中国に依存しており、経済学が専門の金泰基(キム・テギ)檀国大学名誉教授が「将来中韓間で貿易戦争が発生すれば、韓国の半導体、新エネルギー用電池などの重要産業が崩壊する可能性に直面する」と危機感を示したことを紹介している。

記事は、現在の韓国半導体業界が抱えている喫緊の課題が、米国が一方的に主導している半導体協力体「チップ4」への参加期限が8月31日に迫っている問題であり、イエレン米財務長官が19日に訪韓した際に「米韓はサプライチェーンの安全保障協力を深める」と宣言したことは韓国の「チップ4」参加への念押し的な意味を帯びているとし、「米国は現在世界のサプライチェーンを本国中心に組み替える動きを進めており、韓国が受ける圧力もますます高まっている。米国が中国を世界のサプライチェーンから排除せんとする意図はいよいよ明らかになっており、韓国産業界も焦りの色を隠せない」と韓国紙ハンギョレが20日に社説で論じたことを伝えた。

その上で、SKの崔泰源(チェ・テウォン)会長が近ごろ「好きだろうが嫌いだろうが、中国は非常に大きな市場であり、これを手放すという選択肢はない」と語ったことを紹介している。(翻訳・編集/川尻)