2022年7月26日、証券日報は新エネルギー車の電池発火事故が頻発しており、業界内で安全性の向上が課題になっていることを報じた。

記事は、台湾の著名芸能人ジミー・リン(林志穎)が先日、テスラのモデルXを運転中に衝突事故を起こした際に車体から出火したと紹介。事故原因についてはなおも調査中とした上で、テスラ車をはじめとする新エネ車の安全性をめぐる議論を再び引き起こしたと伝え、業界関係者からは「新エネ車産業の発展が加速するにつれ、動力電池のエネルギー密度も徐々に高まり、急速充電技術も普及しつつある。その中で、安全性をいかに高めるかが難題になっている」との声が出ているとした。

そして、応急管理部消防救援局が発表した今年1〜3月のデータでは、新エネ車の火災が640件と前年同時期より32%多くなっており、1日当たり7件以上の新エネ車火災が発生していたことが明らかになったほか、昨年1年間で中国全土では約3000件の新エネ車火災が起きており、火災発生リスクが従来の化石燃料車よりも高くなっていると伝えた。

また、中国科学技術大学の孫金華(スン・ジンホア)教授が「リチウムイオン電池は本来事故が起きやすい。使用温度が40℃を超えてはならず、高温になると電池内に蓄積したエネルギーが速やかに放散できなくなり、熱暴走を起こす」と説明し、三元系リチウム電池の発火率がリン酸鉄リチウム電池よりも高いとの見解を示したことを紹介している。

その上で、多くの自動車メーカーが三元系リチウム電池からより使用コストが低く、正極材料の熱安定性が高いなどの優位性を持つリン酸鉄リチウム電池へとシフトし始めているとし、テスラも21年末の業績発表会においてモデル3およびモデルYでリン酸鉄リチウム電池を採用することを発表したと伝えた。

記事はさらに、新エネ車の発展に伴い動力電池の技術も進化し続けており、中国の動力電池最大手・寧徳時代はエネルギー密度がリン酸鉄リチウムより高く、コストが三元系リチウムより低いM3P電池を開発し、来年にも市場に展開することを明らかにしていると紹介。業界内では、エネルギー密度がより高く、サイクル寿命が長く、安全性が高いことが動力電池開発の主なトレンドだとの認識で一致しているとした。(翻訳・編集/川尻)