台湾の東部沖で26日、毎年恒例の最大規模の海軍・空軍演習が行われた。演習は中国の軍事的脅威が拡大する中、侵略軍を撃退するという想定で、蔡英文総統が視察し自衛力を内外にアピールした。これに対し、中国は東部沖にミサイル護衛艦などを航行させ、台湾側をけん制した。

台湾・中央通信社などによると、演習は中国軍の台湾侵攻を想定した定例演習「漢光38号」の一環として行われ、東部・宜蘭県蘇澳沖で艦艇20隻と戦闘機15機などが参加した合同の実弾射撃演習が繰り広げられた。

演習では海軍の成功級フリゲート艦からのミサイル発射や、空軍の主要戦闘機「経国号」(IDF)を敵機に見立てた防空作戦などを展開。海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)の巡視船からもロケット弾が発射された。

さらに対潜哨戒機P3Cが敵潜水艦を装った剣龍級潜水艦の探知を行い、済陽級フリゲートが対潜ミサイルを撃ち込んだほか、IDFやF16、ミラージュ2000などが空中の目標に対してミサイルを放った。

蔡氏が総統就任後に艦艇上で演習を視察するのは2018年に続き2回目。基隆級駆逐艦(キッド級ミサイル駆逐艦)に乗って迷彩服姿で視察した蔡総統は「素晴らしい演習で台湾兵士が祖国を守る能力と決意を示した。今後も祖国を一緒に守ろう」などと兵士らを激励した。

一方、ロイター通信によると、中国外交部の報道官は演習について「台湾が中国軍と対峙(たいじ)しようとするのは、カマキリが馬車の前に立ちはだかるようだ」とやゆ。「最終的には失敗に終わる」と述べた。

台湾軍関係者によると、今回の演習に合わせるかのように、中国軍の音響測定艦「天璣星」とミサイル護衛艦「黄岡」が26日、東部沖を航行した。黄岡は午前7時ごろ、東部・台東県緑島の南東41カイリ(約76キロ)地点を南下し、「天璣星」は午前8時ごろ、緑島の北東45カイリ(約83キロ)を南東に向け航行した。別のミサイル駆逐艦などの動きも確認されたという。

中国軍の動向に関して台湾国防部(国防省)は「すべて効果的に把握し、適切に対応できる」とのコメントを発表した。(編集/日向)