2022年8月1日、中国メディアの第一財経は、かつての対抗時代を経て、日本と米国が半導体産業の発展で手を結ぶことになったと報じた。

記事は、7月29日に開かれた日米両政府による外務・経済担当閣僚会合(経済版2プラス2)で、次世代の半導体研究分野で新たな共同開発機関を設立することが明らかになったと紹介。会合後にこの件の詳細に関する声明は発表されていないものの、日本メディアの報道として同機関が今年末までに日本に設置され、2ナノメートルプロセスの半導体の研究を進めて25年に量産を開始する計画であると伝えた。

そして、世界半導体市場統計(WSTS)の最新予測では今年の世界の半導体市場は前年比16.3%増となる6460億米ドル(約86兆円)規模に達する見込みだと紹介するとともに、大部分がスマートフォンに利用されている10ナノメートル以下の半導体ウエハーはいずれも台湾企業が生産しているとした。

その上で「近ごろ、世界の半導体産業発展ブームの下で日本政府も布石を急ぎ、半導体分野の『失われた30年』を取り戻そうとしている」とし、日本政府が昨年6月に半導体の設計、開発、生産を強化する新戦略を発表、日本をアジアの中心的半導体生産基地にする計画を打ち出したことを紹介。経済産業省のウェブサイトでは、日本政府が今後の半導体産業を食糧の確保、水資源の安全確保と並ぶ重要な国家プロジェクトと位置づけていることが見て取れると伝えた。

記事はまた、日本の萩生田光一経産相が今年5月に「米国と半導体で手を握り合うのはいささか奇異な運命を感じる」と発言したことにも言及。中国社会科学院日本研究所の田正(ティエン・ジョン)副研究員は「1970年代中後期、日本の半導体産業は急速に発展して米国市場を占拠し始めた。米国の対日貿易赤字は拡大し続けることになり、日本と米国の間には『日米半導体戦争』と呼ばれる激しい摩擦が起きるに至った」とその経緯を紹介するとともに、今回の協力について「日本は今や半導体分野では米国を及びやかす存在ではない。米国は国際的な分業制のトレンドと自国の生産能力の制約で、自国だけでは半導体の研究、生産が難しくなっている。そこで両国に協力のチャンスが生まれたわけだが、両国が研究協力をウインウインに転化し、豊かな成果を得られるかどうかは、観察していく必要がある」と語り、日本国内からは「かつての敵」との協力に疑問を抱く声も出ていると主張した。(翻訳・編集/川尻)