黒竜江ハルビン市内で10日、「2022世界5G大会」が始まった。会期は12日まで。第5世代移動通信システムすなわち5Gの最大の特徴は、高速大容量、高信頼低遅延、多数同時接続などにより、それ以前の4Gと比べてさまざまな分野への応用力が格段に向上したことだ。つまり5Gの利用では、単純な「何が出来るか」だけでなく「何にどう使うか」という“知恵比べ”の様相も濃厚になる。「2022世界5G大会」に関連しても、5Gの産業分野や社会生活への応用関連が特に目立つ状況だ。

■行政と企業の“タッグ”によって次世代型の産業と社会を構築

「2022世界5G大会」については、もう一つの特徴がある。黒竜江における5Gネットワークや関連システムの整備の進展が強調される場合が多かったことだ。ハルビン市平屋区スマートシティー発展センターの職員である李傑氏は、同区は2018年に華為技術(ファーウェイ)のクラウドコンピューティングプラットフォームを導入したと説明した。現在までに、平屋区動画クラウドプロジェクト、時空クラウドプロジェクト、政務ビッグデータ、都市運営センターなど30種以上の業務システムが稼働を始めた。新型コロナウイルス感染症が発生した後には、ファーウェイのクラウド「WeLink」有効活用することで、情報の収集や管理を効果的に進展させることができた。独自に開発したアプリも30種が稼働し、さらにオフライン会議を5000回以上も行った。クラウドシステムの利用が、感染症発生後の高効率の行政を支援してきたという。

李氏は導入し利用してきたクラウドサービスについて、「柔軟性」、「融合力」、「開放性」、「安全性」などを評価している。既定の業務をこなすだけでなく、同区を発展させるためのマクロ政策の制定にも参考となる情報を得ることができるという。

ファーウェイは黒竜江省との提携にも力を入れている。例えば従来からの地場産業については、同省鶏西市と提携してのスマート炭鉱プロジェクト、大慶市とのスマート油田プロジェクト、伊春市とのスマート製鉄プロジェクトがある。黒竜江省における農業や医療のデジタル化プロジェクトや、行政効率向上のプロジェクトにも参画している。また、黒竜江省では22年末までに、通信事業者が5G基地局5万8000カ所を建設する予定だが、ファーウェイはうち3万2000カ所の建設を請け負うという。

■課題はまだ多い。だからこそ関連企業の協力が必要

ファーウェイと同様にハードウェアー製造業者である中興通訊(ZTE)も5G関連事業に力を入れている。同社の林暁東副総裁は、新華社の取材に対して「中国はすでに世界最大の5Gだ。(中国における)5Gの発展は佳境を迎えつつある」との認識を示した。5G技術については、カバーする業界が極めて広いことが特徴であり、ZTEは工業、鉄鋼、冶金、交通、鉱業、スマートシティー、文化と旅行、メディアなどさまざまな分野向けに、業界の状況に合わせた応用方式を構築してきたという。

林副総裁は、5G技術の応用の特徴として「生産効率大幅向上、経営コストの削減、職員の安全確保」などを挙げた。しかし林副総裁は現状に満足しているのではない。「5Gの商用利用は顕著な効果を実現してきた。しかし問題点と不足点は依然として多く存在している」と述べ、だからこそ協力と交流の場である「2022世界5G大会」に期待していると表明した。

■学術関係者からも「産業を一変させる力を持つ5Gなどに期待」の声

学術界からも、5G技術の応用に強く期待する声が聞こえてくる。中国鉱業大学の葛世栄学長は中国メディアの科学日報の取材に対して、鉱山のスマート化の発展目標は鉱山の無人化と説明。しかし、鉱山の作業環境は非常に劣悪で、設備に対する要求も非常に厳しい。現状ではスマート化採掘には感知能力、機器の信頼性、端末の計算速度、情報の相互通信性、人と機械の相互作用性が十分でないなど、解決すべき問題が多く残されているという。

葛学長は一方で、5G技術が鉱山のスマート化を力強く後押ししているのも事実と説明。5Gなど情報通信技術(ICT)の応用で、中国国内ではすでに炭鉱400カ所以上でスマート化が進められている。石炭採掘現場における「初級スマート化」に位置づけられる段階でも、5G通信とネットワーク周縁でデータを処理するエッジコンピューティング技術の応用などで、高精細度映像による遠隔監視や、人工知能(AI)分析による液圧把握などが実現している。

また、坑道内部で発生しがちな現場作業員の「規則違反」の問題についても対策が導入された。現場作業員が「規則違反」をすれば、たとえ故意でないとしても重大事故になりかねない。やはりIT技術によって「規則違反」を検出し、「遠隔介入」を行うことなどで危険を軽減できるようになったという。

葛学長によると、例えば炭鉱のデジタル化については現在のところはまだ、全体的な計画とシステム構造の設計レベルの段階だ。今後は作業現場だけでなく、炭鉱地質精密化モデルや地下の多元的な物理的状態についてのシミュレーションエンジンの構築も求められている。実現のためには膨大な量の情報の通信や処理が求められる。だからこそ、5Gあるいはさらに次世代型の6Gの威力発揮が期待されるという。(翻訳・編集/如月隼人)