2022年9月6日、韓国・マネートゥデイは「受注の朗報が相次ぐ韓国造船業界だが人手不足が深刻化しており、専門家は造船が没落した日本の二の舞いになりかねないと警告している」と伝えた。

韓国造船海洋プラント協会によると、14年末には20万3441人に達した韓国造船業界の従事者数が、昨年末には9万2687人まで落ち込んだ。受注不況による新規採用の縮小に加え、定年退職者の離脱、転職者の増加などが指摘された。現場技能職だけでなく技術・研究・管理職の離脱も深刻化しており、これがより大きな問題だと専門家は指摘しているという。次世代船舶技術の研究・開発(R&D)を担う人材が不足すれば、韓国造船産業の競争力後退は避けられず、記事は「かつて世界の造船産業を牛耳っていたが、韓国に追撃を許したのち急速に衰退した日本の轍(てつ)を踏む形だ」と懸念を示している。

記事は「日本の造船は韓国、中国などに追い越され、1980年代後半〜90年序盤に韓国に造船の覇権を明け渡した」「収益性を理由に造船会社の採用規模が縮小化された結果が業界の衰退へとつながった。さらに大学での人材支援が途絶え、続々と学科が消え、日本造船業界の悪循環が固着化された」などと説明。

その上で「韓国造船業界の現状もさほど変わらない」と指摘。「大学生の就職希望企業ランキングで上位を守り続けた造船会社は2008年の世界金融危機以降は圏外となり、関連専攻の人気も低迷している。また最近、サムスン重工業や大宇造船海洋など4社が公正取引委員会に『現代重工業グループが不当な人材の引き抜きを行っている』と訴える問題もあった」としている。

専門家は、造船業界の極度の人材難について「液化天然ガス(LNG)運搬船など高付加価値船舶の受注量と二重燃料動力のエコ船舶需要が急増したため」だと指摘している。さらに、人材流出は継続すると思われるが、技術・研究・管理職を必要とする船種の受注が大きく増えることで、造船業界の余力も消耗されていくとの見方を示している。新たな人材確保が難しい中では在職中の経験者が現代重工業グループに転職しサムスンや大宇の反発が強まることになりかねず、「構造的悪循環という根本原因の打開策を業界だけでなく政府、産業銀行などが講じる必要がある」と助言している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「昔は働いた分だけ稼げたけど、今は下請けの下請けになって10年以上働いてる人も最低賃金しかもらえない。それでは人手も減って当然だ」「人がいないんじゃなく、上の人ばかりもうけて働きアリは賃金が上がらないから現場を去っていってるんだ」「安くこき使おうとするから働きたがる人がいないだけ」「正しくは『奴隷がいない』でしょ」「賃上げを求めたらクビ、デモをしたら訴訟。そんなことをしておいて人材不足だ何だと言うなんて、恥ずかしくないのか」「記者は大企業の立場でばかり記事を書くな。企業は自分たち優先で大規模リストラを行い、下請けに孫請けで現場の人たちを奴隷扱いしてきたというのに」「汗水流して働いている労働者を軽んじるなら滅びるだけだ」など、厳しいコメントが多数寄せられている。(翻訳・編集/麻江)