日本と英国による次期戦闘機の共同開発を中国共産党系紙が取り上げ、「日英は第三国に輸出する可能性を模索中」と報じた。記事は「日本は輸出実現に向け、防衛装備移転三原則の運用指針の見直しも視野に」と指摘。「三原則の緩和は日本が軍事面の解禁に向けまた一歩進むことを意味する」と警戒感を募らせた。

中国網が紹介した共産党機関紙・人民日報系の環球時報の記事は日英共同開発の背景について「日本はこれまで米国製の武器を使用するか、米国と共同開発を行っていた。防衛装備は米国から制御され、米国以外の国と最先端の武器を開発したことはなかった」と説明。「今回の戦闘機の更新において、日本は独自の研究開発により一定の『自主防衛』を実現しようとしている」と続けた。

さらに「日本には戦闘機のエンジン技術を持たないという弱点がある」と言及。「米国と同盟国であり、また日本も日米安保条約を外交・安全政策の礎としているが、調達や改修などをめぐり米国企業から足元を見られている。米国は基幹技術を利用し日本の首を絞め、日本に技術データの提出を強制している。2020年に米ロッキード・マーティンとの協力が流れると、日本は技術が先進的な英ロールス・ロイスなどの企業との協力に転じた」と述べた。

同時に「技術の自主性のほか、日英には商業面のもくろみがある」と分析。「日本国内では、ブラジルやイスラエルでも戦闘機を生産し輸出できるのだから、日本だけできないのはおかしいとの声がある。共同開発事業が推進されれば、英国は欧州の軍需市場に輸出でき、日本は東南アジア諸国に目を向けることができる」とした。

記事は「日本が軍需面で経済的利益を得ようとする、もしくはそれにより軍事防衛面の進展を促そうとすれば、ある国の『脅威』を誇張し、緊張情勢を意図的につくることが不可避だ」ともけん制。「これは米国の軍産複合体が防衛装備輸出の需要を激増させるための常とう手段であり、日本が近年国内で『憲法改正の共通認識』をつくる際の一貫した手法になっている」と批判した。

一方で環球時報は「米国は日本がより高い程度の『自主防衛』に向かうのを放任するだろうか」と疑問視。「これまでの経験と米国の現・前政権の同盟国への態度によると、米国が日英の都合の良い計算を見て見ぬふりすることはない」と断じた。

その上で「日英の協力は当然ながら事前に米国の同意が必要だ」と論評。「今年5月、当時の岸信夫防衛相は米国のオースティン国防長官に『報告』を行った。米国は反対を表明しなかったが、日本の新型戦闘機は米国の戦闘機と運用面で、特に装備品とデータ面で互換性を持つことと要請した。つまり米国の制御から逃れようとする日本の考えは依然として、一つの『考え』にすぎないということだ」との見方を示した。(編集/日向)