2022年9月11日、中国メディアの観察者網は、過度に輸入に依存してきた日本の食糧供給体系がかつてないほどの危機にさらされているとする、英メディアの文章を紹介した。

記事は、英フィナンシャル・タイムズの10日付報道を引用。日本企業はエネルギーコストの高騰、円安の継続により増えるコストを消費者に転嫁せざるを得ない状況となっており、10月には6000品目の食品価格が値上げを予定していると紹介。悪天候や新型コロナが日本のサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性を露呈させるとともに、ウクライナ問題による世界的な食糧、エネルギー、化学肥料供給の混乱によって日本の食品サプライチェーンのリスクも明らかになったとした。

また、農林水産省の官僚からは、日本経済の地位定価に伴い、世界各地から必要な商品をこちらの言い値で手に入れられる時代は終わりを告げており「われわれは日本の市民に食べ物を供給するための新たな戦略を検討しなければならない」との意見が出ていると伝えた。

そして、日本の食糧自給率はわずか38%と世界の主要経済国における最低水準にあり、特に小麦の83%、大豆の78%、食用油の97%が輸入に頼っている状況だと指摘。迫りくる食糧危機に対し、岸田文雄首は今年6月に「新しい資本主義」計画の中で「強力な農業、林業、漁業」づくりに取り組み自給率向上に務めることを打ち出したと伝える一方で、一部の業界関係者は「外的なインパクトに対処する能力が弱すぎるため、単に生産量を増やそうとするだけでは食糧問題は解決できない」という悲観的な見方をしているとした。

その上で、主にベラルーシから輸入していた化学肥料が西側の制裁によって滞り、モロッコやカナダからの輸入を増やそうとしているものの、肥料価格が上がり続ければ日本の調達力は大きな制約を受けることになると伝えたほか、従事者の平均年齢が68歳という農業の高齢化、制度の硬直化といった問題も農業振興の大きな壁として立ちはだかっていると紹介した。

さらに、専門家たちからは「食糧の安全が焦眉の急になっているのに、今の日本では改革を進めるに十分な政治パワーがない」との声が出ており、本来コメの価格を引き下げて生産をコントロールしつつコメ需要をさらに高め、小麦の値段を引き上げて生産量を増加させつつ需要をコントロールすべきところを「真逆の方策をとっている」と指摘する専門家もいると伝えた。

記事は、現在の日本ではコメによって食糧不足を解消することは不可能であるにもかかわらず「日本の政界や民衆は、『コメをたくさん食べれば問題ない』と安易に考え、外部からのインパクトによる食糧の安全危機を無視している」とし、「日本はもはや食品やエネルギーをリーズナブルな価格で手に入れることはできなくなった。外部に過度に依存する戦略からの転換を急がなければならないが、今転換を始めたとしても手遅れかもしれない」という日本の専門家による意見を併せて紹介している。(翻訳・編集/川尻)