中国が掲げるゼロコロナ政策に沿って各地でロックダウン(都市封鎖)が繰り返されて経済が大打撃を受け、企業各社の業績も圧迫される中、コロナ検査業界が記録的な利益を計上している、と米CNNが報じた。米国政府に迅速抗原検査キットを提供しているメーカーもある。

CNNによると、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、8月20日以降、少なくとも74都市(人口合計3億1300万人)で市全域や地区を対象とするロックダウンが行われた。制限の多くは今も続いている。中国経済誌によると、33都市は今も完全または部分的なロックダウン状態にある。今後数週間でロックダウンに入る都市はさらに増えるだろうと専門家は予想する。

ロックダウンはわずか数例の症例が確認されただけで即座に始まることもあり、人口1000万人以上の大都市や産業中心地も対象となっている。南西部の四川省の省都・成都では1日、2100万人がロックダウンに入った。4日には市の大部分でロックダウンが延長され、5〜7日にかけてさらなる集団検査が命じられた。

中国政府によると、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まってから今年の4月まで、国内では115億回の検査が行われた。その後、検査回数は大幅に増えている可能性があり、東呉証券のアナリストらが推計したところによれば、4〜6月の3カ月で108億回の検査が実施されたという。

これに伴い、中国で新型コロナの検査を手掛ける企業上位12社は今年上期の売り上げと純利益の大幅な増加を記録した。新型コロナ検査キットを国内外に供給する九安医療は、2022年1〜6月期で純利益が2万7728%もの急騰を記録し、152億4000万元(約3150億円)に達したと報告した。

売り上げは3989%増加。中国国内で積極的に検査が行われたことだけでなく、米国での高い需要も恩恵をもたらした。同社の子会社は最近、米国政府と迅速抗原検査キットの供給契約を結んだ。

杭州市に本社を置く安旭生物も、世界的な検査需要の高まりを背景に1324%の純利益増を記録した。その他の検査キットメーカーも、1〜6月期でそれぞれ純利益を55〜376%伸ばしている。

延々と続く検査やロックダウンと出入国規制が経済を痛めつけた結果、中国の4〜6月期の国内総生産(GDP)は0.4%の増加にとどまった。これは過去2年以上で最も鈍い成長ペースとなる。海外の主要な投資銀行数行はすでに中国の年間の経済成長率予測を3%以下に下方修正した。これは政府が設定していた公式目標の5.5%を大きく下回る水準で、国内経済の先行きに暗雲が立ち込めている。(編集/日向)