ボーイング社のブライアン・ウェスト最高財務責任者(CFO)は17日までに、中国の航空会社が引き取らないB737MAXシリーズの旅客機について、他の売り先を模索することを明らかにした。中国当局はB737MAXの飛行停止令を継続している。引き取られていないB737MAXシリーズは、約140機とされる。

B737 MAXは2018年にインドネシアで、19年にはエチオピアで墜落事故を起こしたことで、各国当局が飛行停止に踏み切った。その後、飛行禁止は徐々に解除されてきたが、中国では現在も続いている。

中国では航空会社11社がB737 MAXの購入予約を行った。中国中央政府で民間航空を所管する中国民用航空局が2019年に同型機の飛行停止を命じる前に98機が引き取られたが、現在も約140機が引き取られずボーイング社の「在庫」になっているという。

航空機製造メーカーは、引き取り先の予定が決まっている航空機を、製造後に他の相手に売ることを、一般に敬遠するとされる。5万ドル(約715万円)程度かかる塗装のやり直しも自己負担になってしまうからだ。それ以外にも、内装や座席なども新たな売り先の仕様に直さねばならない。

新型コロナウイルス感染症の影響が緩和したことで、世界的に航空輸送需要は回復しつつある。コロンビア航空は最近になり航空機の新規購入を急ぐようになった。米国の新興航空会社も、航空機不足の状態だ。エア・インディアは購入が間に合わないために、大量のリースを決定した。ボーイングにとって既存リース機の利用は、好ましくない事態だ。

大型旅客機は、客室に通路が1本だけあるナローボディー機と、2本以上あるワイドボディー機に分類できる。当然ながらワイドボディー機の方が定員が多いが、輸送需要の少ない路線にワイドボディー機を飛ばすとコスト高になるのでナローボディー機の出番ということになる。

中国では規模が比較的小さい航空会社17社が、ナローボディー機を全てB737シリーズに頼っている。同様に使える航空機はエアバスも生産しているが、保有機が50機以下の場合には特に、機種や製造会社を絞り込んだ方が経済効率が上昇する。

ボーイング社が製造を続けているナローボディー機はB737MAXシリーズだけだ。737MAXは前世代型のB737NGよりも燃費が15%良い。現在は燃料価格が高騰しているので、旧型機を使い続けることは航空会社にとってなおさら大きな負担になる。

しかし目下のところ、中国ではB737MAXを飛ばせない状況だ。そのため、アモイ航空のようにエアバスA320neoの導入を検討し始めた航空会社もある。しかし多くの中小航空会社にとって、エアバス機の転換費用を負担する余裕はないとされる。

一方のボーイング社にとってすれば、仮に塗装のやり直しなどで余分な費用が掛かったとしても、「在庫」を早くさばいて現金化した方が、経営にとっては好ましいという。(翻訳・編集/如月隼人)