中国の王毅外相とオーストラリアのペニー・ウォン外相は22日、米ニューヨーク市内で会談した。双方は国連総会に出席するため、ニューヨーク滞在中だった。中国とオーストリアの関係は冷え込んでいる。ドイツメディアのドイチュ・ベレによれば、両外相の話し合いで、関係改善の具体的な進展は得られなかった。中国政府外交部(中国外務省)は同会談を24日になって公式サイトで紹介した。紹介が遅れた理由は不明。

オーストラリアが2020年以来、中国における新型コロナウイルスの起源を調査するよう呼び掛け、中国企業の華為技術(ファーウェイ)の自国における5G構築への参加を排除したことなどで両国関係は冷え込んだ。中国側が食肉や木材、石炭などオーストラリアからの輸入に関税追加などの制限措置を導入したことで、関係はさらに悪化した。

両国関係が冷え込んだのは、前モリソン自由党政権期だった。そして2022年5月にアルバジーニー労働党政権が発足すると、双方が関係改善のシグナルを発し始めたとの報道が出た。

ウォン外相と王毅外相は、G20外相会合出席のためにインドネシア・バリ島に滞在中の7月8日に、二者会談を行った。両国外相会談はそれまで3年間にわたり行われていなかった。王外相は同会談で、両国関係の改善のための4点の提案を示したが、オーストラリア側から積極的な反応は得られなかったという。

ウォン外相は22日の王外相との会談後、オーストラリア・メディアに対して「中国の関税を終わらせる希望は打ち砕かれた」と述べた。両外相の40分間の会合では、人権から貿易に至る一連の食い違いについて何の進展も見られなかったという。

ウォン外相は王外相との会談で、スパイ容疑で中国に拘束されているオーストラリア人ジャーナリストら2人の問題についても言及したとされる。

中国外務省は公式サイトに「外相の動向」という項目を設けており、自国外相の他国首脳との会談などを逐次紹介している。ただし王外相とウォン外相の接触は、24日になってから発表された。また、中国メディアとしては環球網が23日付で、新華社電として両国の外相会談を報じた。他の報道は見当たらない。中国側で中豪外相の会談に関する報告や記事が遅かったり、少なかったりした理由は不明だ。

中国外務省の発表も環球網などの中国メディア報道も両外相の会談について、否定的な要素は紹介せずに、双方ともに関係の安定化を望む発言をしたことを強調した。

中豪が互いに、経済分野で相手を重要な存在としている状況に変わりはない。中国はオーストラリアにとっての最大の貿易相手国であり、中国の公式データによると、21年の中豪2国間の貿易総額は前年比35.1%増の2312億米ドル(約33兆円)に達し、中国のオーストラリアからの輸入額は同40.6%増の1648億米ドル(約24兆円)に達した。(翻訳・編集/如月隼人)