中国メディアの観察者網は28日、韓国の半導体業界に危機感がまん延していると伝えた。

記事によると、韓国科学技術情報通信部の李宗昊(イ・ジョンホ)長官はこのほど受けたインタビューで「韓国は米国などの国からのさらなる挑戦を迎えており、半導体業界は危機感に覆われている」と述べた。韓国内では補助金や税制上の優遇措置を受けて、国内の半導体メーカーが米国に工場を建設し、国内の生産施設が減少するのではとの懸念が広がっているという。

韓国では8月4日、「国家先端戦略産業競争力強化および保護に関する特別措置法」(半導体特別法)が施行された。同法は半導体など戦略産業分野の企業投資に対する支援を大幅に強化するものだ。李氏は「韓国の半導体業界が米国、日本、欧州などとの厳しい競争に対応する法的基盤を構築し、サプライチェーンや安全保障面での競争力を強化することを目的としている」「韓国企業は人材不足に加えて政府からの優遇措置も少ない。これを解決するための立法が必要だった」とした。

米国では7月に520億ドルの補助金および奨励金を含むいわゆる半導体業界支援法が成立。世界の半導体メーカーを米国に誘致しようとしている。記事は「韓国は依然、世界最大の半導体メーカーであり、サムスン電子とSKハイニックスは世界のDRAM販売の70%、NAND型フラッシュメモリー販売の50%以上を占めている」とする一方、「韓国メーカーのDRAM事業での米マイクロンに対する技術的優位性は縮小しており、NAND型フラッシュメモリーでは長江存儲科技(長江ストレージ)などの中国メーカーがシェアを拡大している」と指摘した。

また、特筆すべきこととして「韓国は最近、米国から繰り返し“背中を刺されて”いる」と説明。例として、シリコンウエハー世界3位の台湾グローバルウェーハズが当初、コストが米国の3分の1だった韓国への工場建設を検討していたものの、米当局者の説得により最終的に米テキサス州を選んだことに言及。また、8月にバイデン大統領が署名したインフレ削減法案では、電気自動車(EV)を購入した消費者に税額控除を行うとされたが、その条件として「車両が北米(米国、カナダ、メキシコ)で組み立てられ、米国と自由貿易協定(FTA)を締結している国から一定以上の部品を調達しなければならない」とされており、現代自動車など韓国の主力ブランドが不利な立場に立たされたことを挙げている。(翻訳・編集/北田)