中国共産党系の環球時報(電子版)は2日、「円安で日本経済の奥深い脆弱(ぜいじゃく)性が露呈」とするオピニオン記事を掲載した。筆者は南開大学世界近現代史センター教授、日本研究院副院長の張玉来(ジャン・ユーライ)氏。

記事はまず、日本の財務省が9月29日から10月27日までに総額6兆3000億円余の為替介入を実施したこと、政府は10月28日に事業規模71兆6000億円の総合経済対策を決定したこと、日銀の黒田東彦総裁が同日、大規模な金融緩和を維持すると表明したことなどを取り上げ、「内外の経済情勢が厳しさを増す中、『政府は為替介入、日銀は金融緩和継続』という局面の持続可能性には危うさを感じる」とした。

記事は「日本経済を脅かす第一の難題は円安だ」と指摘。年初の1ドル115円から150円程度へと3割も円安が進み、およそ32年ぶりの円安水準となったこと、円安の直接的な原因は日本と米国の金利差の拡大であり、米国の急激なドルの利上げ(3.00〜3.25%)でゼロ金利のままの日本との差が大きく開いたことなどに言及した。

その上で、「急激な円安は再び日本経済の脆弱性の特徴を露呈させ、それもまた制御不能な円安の主因になっている」と指摘。経済の地力を示す潜在成長率は0.4%で1990年代の10分の1に相当することなどにも触れた。

また「日本経済の脆弱性は、財政や金融の分野にも現れている」とし、日銀が緩和をやめて利上げに踏み切れば円安は食い止められるが、「役に立たない古いしきたりをいつまでも守る」真の理由は、政府に代わって財政危機を和らげ、「灰色のサイ」を監視することだとした。

記事は、政府は円安を阻止するため「火力全開」で為替介入をする一方で、大規模な財政刺激策を打ち出し、入国規制も緩和したが、こうした「処方箋」は症状に応じたものではないと指摘。1兆2900億ドルの外貨準備は余裕があるように見えるが、1営業日当たりの平均取引額が3700億ドルある日本の外為市場にとっては「焼け石に水」であり、政府が打ち出した膨大な景気刺激策29兆円は対象が五つの分野に分割されており、こうした「恩恵をみんなで分け合う」タイプの策が奏功するのは難しいとの見方を示した。(翻訳・編集/柳川)