米国政府による半導体産業への支援の強化を中国メディアが取り上げ、「実質的に同盟国を損ね自国を肥やす」と報じた。この中では「世界の半導体産業にとって健全な発展ではなく、全面的なショックだ」と指摘。「特に(韓国など)同盟国の半導体産業の発展に衝撃を及ぼす」との見方を示した。

中国網は韓国「アジア経済」がこのほど発表した最新の統計データを紹介。「世界の時価総額トップ100の半導体メーカーのうち、中国大陸は42社、米国は28社で、韓国は3社のみとなっている。サムスン電子が発表した第3四半期の業績報告によると、その営業利益は前年同期比31.39%減で、3年ぶりの減少となった」と述べ、「米国が政府による半導体産業への支援を強化する中、韓国の半導体メーカーの時価総額ランキングと収益力が下がり、韓国の緊張・懸念を引き起こしている」とした。

記事は「米国は半導体産業に持続的に力を注ぎ、『半導体クアッド』の構築に取り組み、自国企業への補助を拡大し、中国に対する最先端の半導体製造装置の輸出を禁じた。これは世界の半導体産業を掌握し、これを武器とし戦略的競争相手を攻撃することが目的だ」と断言。「しかし、半導体製造およびパッケージ分野で、米国はすでに主導権を失っている。米国で設計される大半の半導体は中国台湾地区で製造される。特に米国は最先端の半導体の生産能力を持たない」と続けた。

さらに「米国は徐々に立ち遅れる局面を覆すためアメとムチを使い、世界各地の半導体産業を米国に集中させようとしている。520億ドル(約7兆8000億円)を拠出し、米国で工場を建設する半導体メーカーに補助を提供すると承諾した」と言及。「その一方で『半導体クアッド』を通じ、半導体メーカーを米国に移転するよう韓国と中国台湾地区に圧力をかけている」と非難した。

こうした米国の措置については「韓国および中国台湾地区の半導体産業の競争力を大幅に低下させる。企業移転には大量の資金が必要だ。米国で新工場を建設すれば工期が本土をはるかに上回るだけでなく、企業の建設・運営の負担が激増する。企業は人材・原料・市場などの面で数多くの問題に直面する」と説明。「彼らは苦しい選択に直面せざるを得ない。米国の補助を受け半導体工場を米国に移転すれば、今後10年にわたり中国で新たな先端半導体メーカーを設立できないことを意味し、中国という世界最大の半導体市場を失う可能性も高い」とけん制した。

その上で中国網は「米国の半導体戦争の悪い結果が持続的に顕在化している」と警告。「韓国は自国の半導体メーカーの収益力の低下に気づいており、台湾積体電路製造(TSMC)の株価も変動している。米国に追随すれば、これらの企業は競争力と発展のチャンスを失う」として、各社に自制を促した。(編集/日向)