中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の今年の輸送が1万4000万本を超えた、と中国メディアが伝えた。中欧班列は中国主導の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の重要な舞台装置。記事は「ユーラシア大陸を席巻し、コロナ禍の中で世界経済回復に重要な役割」と自賛した。

中欧班列は2011年3月に重慶市からドイツのデュイスブルクまで運行したのが始まり。11年以上の時を経て、「三つの通路、四つの拠点、五つの方向、六つの主要ルート」を形成し、東西を結ぶ新しいネットワークを構築した。現在82の運行路線を通じて欧州24か国の200都市に到達している。

中国通信社(CNS)によると、「三つの通路」は、新疆ウイグル自治区を経由して出国する西通路と内モンゴル自治区を経由する中・東通路を指す。

「四つの拠点」は新疆ウイグル自治区の阿拉山口市とコルガス市、内モンゴル自治区の満洲里市とエレンホト市。

「五つの方向」は欧州連合(EU)、ロシア、中央アジア、中東、東南アジアといった輸送地域のことだ。EUやロシア、中央アジアは輸送路線が集中し、中東と東南アジアはまだ少数だ。

「六つの主要なルート」は開業から安定した輸送を続ける西安市、成都市、重慶市、鄭州市、武漢市、蘇州市を示し、近年は済南市を起点とするルートも好調だ。

CNSは「中欧班列は世界の産業チェーンとサプライチェーン(供給網)を安定させ、コロナ禍などの影響にかかわらず、中国と欧州の貿易の強い回復力と活力を示している」と主張。「その真価は中国を通じて欧州や中央アジア、東アジア、東南アジアなど各方面を鉄道ルートで結んでいることであり、輸送のボトルネックを解消することで各企業の投資や移転などが促進されている。国際輸送ルートを強化するため各国でインフラ整備が進み、中欧班列の運行自体が中国と沿線諸国間の経済基盤を強固なものにしている」と強調した。

復旦大学国際問題研究所のロシア・中央アジア研究センターの馬斌副研究員は「画期的な国家プロジェクトである中欧班列はユーラシア大陸の各方面を結び、中国と沿線諸国が『一帯一路』を共同で建設するための重要な出発点を提供している」と指摘した。

中国国家鉄路集団によると、21年の中欧班列の運行本数は前年比22.4%増の1万5183本。輸送されたコンテナ数は前年比29%増の146万4000TEU(20フィートコンテナ換算値)と大きく増加した。

同年の輸送貨物の付加価値額は749億ドル(現レートで約11兆2350億円)と、16年の80億ドルから大きく増加。輸送貨物も当初の携帯電話やノートパソコンなどのIT製品から自動車部品、完成車、化学工業品、機械電気製品、穀物、酒類、木材などに拡大し、輸送品目数は5万種類を超えた。(編集/日向)